解析事例
網入りガラス窓の熱流体解析と応力解析の事例
こんな方におすすめ
- 微細形状を含んだモデルの熱流体解析、応力解析を実施されたい方
補強を目的としてワイヤーを内蔵した構造体が利用されることがあります。その一例として、図.1の編み入りガラスがあります。内部のワイヤーを内蔵することで前述の通りガラスの強度を補強している製品です。
このような微細な物体を含む構造体を、CAEを使って解析するには、結果を得るまでの計算時間や解析用にハイスペックなPCが必要であったりと『解析コスト』が高くなることがあります。そのコストを低減するために、弊社ではマルチスケールCAE「Multiscale.Sim」を提供しています。
Multiscale.Sim の概要はこちら
今回の事例は編み入りガラスを対象に、Multiscale.Simによるマルチスケール解析と熱流体解析、並びに構造解析を利用することで窓ガラスやガラスの枠にかかる応力を確認したものになります。
解析モデル
図.2は編み入りガラスの一部を抜き出したモデルです。今回の解析では図.2の状態でマルチスケール解析を実施し、そこで得られた等価物性値を利用して熱流体解析ならびに構造解析を行っています。
熱流体解析の全体モデルは図.3になります。赤枠が屋外、青枠が屋内となります。合わせて緑枠に図.2の窓ガラスがはめ込まれているモデルになります。
解析結果
図.4は熱流体解析の熱条件のコンター図になります。熱流体解析では太陽光による熱を考慮した解析が可能で、図.4の赤い箇所は太陽光が直射している箇所、青い箇所は影になっている箇所を表しています(図.3と比較すると、窓枠で陰になっている部分と対応しています)。
図.5は熱流体解析の結果を表します。内部の空気の流動により、温度が局所的な分布を持つことが分かります(窓ガラスの物性値にはMultiscale.Simで求めた値を利用しています)。
図.6と図.7は構造解析の結果です。ここでは前段の熱流体解析から得られた温度分布とMultiscale.Simから得られた等価物性値を利用して解析を行っています。
まとめ
図.8は本事例のデータのやり取りを表しています。Multiscale.Simで得られた物性値は熱流体解析と構造解析へ、そして熱流体解析で得られた温度分布は構造解析へと取り込まれています。
今回ご紹介したように、Multiscale.Simを利用することで、微細構造を加味した解析を実施することが可能です。
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