解析事例
流体解析を用いた窒素パージによる酸素除去効率の検証
こんな方におすすめ
- 窒素パージによる酸素濃度変化を事前に把握したい
- 最適な窒素投入箇所を検討したい
- 窒素の純度の違いにより、酸素除去に要する時間にどの程度違いがあるかを確認したい
- 局所的に酸素除去効率が悪くなる箇所(デッドゾーン)を予め把握しておきたい
配管や包装容器内の酸素濃度や爆発性ガスの濃度を低下させるために、窒素パージ(窒素置換/ガス置換)が行われますが、以下のパラメータによって置換効率が変わってまいります。
- 置換用ガス(窒素、空気、不活性ガスetc.)の流入位置
- 置換用ガスの濃度
- 対象物(配管/包装容器etc.)の形状
- 置換用ガスの流量/流入時間
これらの影響を流体解析技術を用いて予め把握することが可能です。
また流体解析を用いると、実験では把握しづらかった対象物内のガス濃度分布の時系列変化や、局所的な置換不良を起こしやすい箇所の特定にも役立ちます。今回の事例では、一箇所からガスを流入させた場合、特定箇所での置換効率が悪いため、改善案としてガスの一部を別箇所からも流入させることで、置換効率を向上させています。
なお、今回の事例では、初期充填ガスを空気、置換用ガスを窒素としており、いずれもガス成分であるため、多流体流れ(化学種流れ)の機能を用いて解析を行っておりますが、もし初期充填がガス、置換する流体が液体の場合(もしくはその逆)は、多相流(混相流)の機能を用いた解析でモデル化する必要があります。
解析モデル
解析結果
窒素パージした際の酸素濃度の推移を可視化しています。
こちらの事例では『1か所から窒素をパージした場合(アニメーション上部)』、『2か所から窒素をパージした場合(アニメーション下部)』の違いを比較しています。
これらの結果から、酸素が残存しやすい箇所を特定したり、窒素パージの方法により、残存箇所が変化することが確認できます。
酸素濃度の推移(濃度コンタ図(視点①))
酸素濃度の推移(濃度コンタ図(視点②))
酸素濃度の推移(ボリュームレンダリング)
解析種類
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