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解析事例

CAEプラットフォーム関連

放熱フィン形状の最適化

“汎用有限要素法解析ツールAnsys”と、” 最適設計支援ツールOptimus ”を用い、伝熱解析における放熱フィン形状の最適化を行いました。放熱フィン部の高さ・厚み・枚数を様々に変更し、最大温度が最小になる形状をOptimusにて探索します。形状作成には、Pro/Engineer2001を使用しました。

Ansys Workbench

境界条件

  • 発熱6e+007 W/m 2
  • 熱伝達率700 W/m 2
  • 熱流速240000 W/m 2

Optimus

設計変数

  • フィン高さ5≦x≦50
  • フィン厚み0.3≦x≦0.45
  • フィン枚数10≦x≦30(離散値)

目的関数

  • 最大温度→ 最小化

Process Automation

Optimusと接続可能なアプリケーションは、以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 入出力ファイルがText形式であること
  2. バックグラウンドで実行可能なこと

今回使用する Ansys Workbench (以下、「Workbench」)は、上記のうち1.の条件を満たしておりませんが、サイバネットシステムにて開発した 特別インタフェース を使用することにより、通常よりも簡単な手順でOptimusにて解析の自動化を設定する事が可能です。

今回の事例では、OptimusからAnsys Workbenchをコントロールし解析を実行し、形状の変更は
WorkbenchのPlug-in機能を使い、Pro/Eのパラメータを変更しています。
※今回の事例ではPro/Eを利用していますが、他の汎用CADでも同様の自動化が可能です。

Optimusによる自動実行の流れ



上図の自動実行の流れを、Optimusにて定義すると右図のようになります。Optimusでの自動設定は、ブロック線図によって直感的に定義する事が可能で、今回の事例であればわずか10分足らずで自動化設定が可能です。

これまで、直交表・実験計画法などのパラメータの組み合わせをユーザー様が入力していた手間は、Optimusの自動化機能によって劇的に削減する事が可能になります。

さらに一度Optimusで自動実行の仕組みを作れば、その後はOptimusのGUIを使って、何度でも解析を繰り返し実行する事ができます。よって、どなたにでも解析が実行できる環境が整います。

Design Space Exploration

始めのステップとして、最大温度(目的)に対する設計変数の寄与や、パラメータ同士の相関性を把握する為、実験計画法(3水準要因計画:最小値・最大値・中間値の組み合わせ)にて27回の解析を実行し、その結果よりテーラー2次の応答曲面を作成しました。Workbenchによる27回の解析実行は、全てOptimusが自動的に行いますので、その間ユーザーの介入は全く不要です。

応答曲面作成後は、Optimusの様々なポスト機能を使い設計空間を可視化します。代表的なポスト機能である”寄与度図”を見ると、目的である最大温度に対しては、フィンの高さと枚数が強く寄与している事がわかります。次にセクションに注目すると、設計空間を明確に把握する事ができます。セクションは、設計変数・出力値それぞれの応答曲面の断面を表示する機能で、パラメータが多い場合に一括して設計空間を評価する事ができます。今回のケースでは、フィン厚みは上限値(0.45)付近が最も最大温度が低くなり、フィン枚数は10枚から徐々に最大温度が下降し、20枚からは上昇している事がわかります。フィン高さに関しては、20~50の間で解の変化が小さくなっていますので、再度調査することにします。



フィン高さの最適値を調査する為、下記の条件にて再度実験計画法(混合水準計画)にて5回の計算を実施し、散布図にて最適値を確認します。


  • marフィン高さ20≦x≦50
  • フィン厚み0.45(固定)
  • フィン枚数20(固定)

結果より、フィン高さ47付近に最大温度が最小になることがわかりましたが、20の時と約0.1℃しか変化が無いため、今回はより質量が少なくなる20を最適値とすることにしました。

散布図
0.11℃しか差が無いので、重量が重くなる事を考慮し20を選択

Optimal Design

初期形状
・高さ25
・厚み0.4
・枚数25
最大温度140.284
最適形状
・高さ20
・厚み0.45
・枚数20
最大温度130.308

全32回のシミュレーション実行(約3時間)にて、 約7% の改良を図る事に成功しました。
今回は実験計画法・応答曲面法にて最適化を行いましたが、OPTIMUSでは最適化アルゴリズムやロバスト信頼性といった機能で、様々なユーザー様の最適化ニーズにお応えする事が可能です。

Summary

OptimusによるWorkbenchの自動化→ 解析者の非生産的作業削減・設計効率の改善

Optimusによる設計空間の可視化→ 設計に必要な経験・勘に代わる情報の入手

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