IT資産管理ツールは多種多様な機能を実装したものが国内外で数多く販売されていますが、どれが自社の課題解決に適しているのかを1つ1つ検討することは手間と時間が非常にかかります。自社に適したツールを選ぶためには導入目的を明確にすることが大切ですが、その前提として、ツールはどのような種類があるのか?どのような点に着眼してツール選定していけば良いのか?といった点を整理しておきましょう。
そこで本章では、IT資産管理の分類と的確なツール選びに役立てたい選定ポイントをご説明いたします。
IT資産管理ツールの分類
ひと口にIT資産管理ツールといっても、生い立ちや役割が異なり、実にさまざまなものが存在していますが、分類すると以下3つに大別されます。それぞれの違いを見ていきましょう。
- インベントリ収集ツール
- 統合運用管理ツール
- 台帳管理ツール
インベントリ収集ツール
前章で記載したインベントリ収集機能を軸としたツールとなります。人手で行ってきたExcel台帳での棚卸作業を情報収集の自動化により効率的に管理することを目的としています。他にも、パッチ適用を行うソフトウェア配布機能やヘルプデスク時に利用するリモートコントロール機能といった運用を補助する機能が実装されていたり、最近では「操作ログ取得」「デバイス制御」といった情報漏えい対策を実現する機能もオールインワン提供されています。
インベントリ収集機能とその収集情報の確認が管理コンソールのメインに据えられているものが多く、専門知識を持っていなくとも簡単に操作できるのが特長となります。
統合運用管理ツール
PCやサーバー、ネットワークのシステム全般を集中管理して運用を効率化するためのツールとなります。インベントリ収集ツールが持っている機能に加えて、サーバーのリソース監視、死活監視といった監視機能が多く実装されており、グローバルに展開する大規模環境で用いられることが多いツールです。統合的に管理できる分、インベントリ収集ツールと比較すると機能の数は多いですが、運用プロセスを設計してツールに落とし込む必要があるため、専門知識が求められます。
台帳管理ツール
管理者が「あるべき資産」の情報をIT資産管理台帳として登録し、PCから収集してきた「現状の資産」の情報を照合(突合)させて管理するためのツールとなります。
前述したインベントリ収集ツールや統合運用管理ツールは、情報を収集して「現状の資産」をコンソールで表示しますが、日々情報が更新されるので、「あるべき資産」から変わってしまった場合、気付くことができません。台帳管理ツールは、この「あるべき資産」を別に持つことで、収集してきた「現状の資産」と比較して、差分を発見し、問題点を明確にすることができます。
なお、台帳管理ツールは、インベントリ収集機能として利用するには不十分であるものが多いため、インベントリ収集ツールや統合運用管理ツールと組み合わせて管理する必要があります。
IT資産管理ツールの選定ポイント
IT資産管理ツールのシステム構成や目的に応じて必要となる実装機能を理解した上で、選定を進めていく必要があります。今回は3つの選定ポイントをご説明します。
システム構成はオンプレミス版なのか?クラウド版なのか?
IT資産管理ツールを大別すると、自社で管理サーバーを用意して自社運用するオンプレミス版と自社に管理サーバーを持たずにIT資産をインターネット経由で管理するクラウド版があります。
オンプレミス版は、かゆい所に手が届くような細かい機能が豊富に実装されており、自社に用意する管理サーバーが高スペックであれば大規模環境においても管理が可能となります。
クラウド版は、オンプレミス版と比べると実装機能は劣りますが、インターネットを介して、支店や支社のIT資産を管理したり、PCのみならずスマートフォン/タブレット端末も統合的に管理することが可能です。
IT資産管理ツールの選定は実装されている機能も重要なポイントとなりますが、今後の事業計画やスマートフォンやタブレットの業務利用に合わせたシステム構成を考慮して進めることをおすすめします。
自社ポリシーに合った強固な情報漏えい対策を実現できるのか?
最近はIT資産管理だけでなく、情報漏えい対策を行う豊富な機能がオールインワン提供されているツールが数多くありますが、着眼すべきポイントは、ユーザーの不正行為を制御し、かつ、不正状況を管理者が素早く発見できるのか、といった点になります。具体的にはアラート機能と呼ばれているものです。
ソフトウェアやOSのパッチ適用を効率的に実施できるのか?
近年、AdobeやJavaの脆弱性を利用した攻撃が急増しています。これらの攻撃に対して最も効果的な対策は、各ソフトウェアメーカが提供している最新バージョンにアップデートすることです。
一般的なIT資産管理ツールでは各PCのセキュリティパッチ適用状況を把握することはできますが、パッチ適用には管理者がソフトウェアごとにパッチファイルをダウンロードし、1つずつ配布設定を行う必要があり、非常に負荷がかかります。
そんな中、AdobeやJavaなどのサードパーティーベンダーのパッチファイルをIT資産管理サーバーに集約して、自動適用できる機能を持ったツールであったり、Windowsパッチを集中管理するためのWSUSサーバーと連携して、自動適用できる機能を持ったツールもありますので、このあたりを考慮して選定することをおすすめします。
プロフェッショナルからのコメント
IT資産管理ツールの機能は多岐にわたるため、魅力ある機能によって目的がぶれてしまいがちですが、選定ポイントを考慮した上で目的を明確にすることが重要です。どのツールを選ぶにしても、自社の管理目的に合ったツールを選ぶことが大切です。
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