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特異点(とくいてん)
英訳:singularity
有限要素法(FEM)における特異点とは、局所的に高い結果値が出る現象のことで、主に構造解析において問題になります。
構造解析では、角部や拘束端部などに局所的に高い応力が発生する現象として表れます。以下、構造解析を前提として説明します。
特異点の特徴として、メッシュを細かくしても結果が収束しないことが挙げられます。
一般に、メッシュを細かくすれば次第に応力値が収束していきます。
しかし特異点では、メッシュを細かくすればするほど応力値が上がり、発散していきます。
アダプティブメッシュ(応力値等が収束するまで自動的にメッシュを改善する手法)を利用したときは、収束せずに失敗することがあります。
特異点の応力値は、理論上は無限大となり、評価対象にはできません。
対策として、以下のような方法がよく採られます。
- 特異点近傍の応力は無視して、少し離れた位置で結果を評価する。
- 角部に特異点があり、特異点近傍の応力が重要である場合は、角部に小さなRをつける。(ただしRを表現できるだけの十分なメッシュ分割が必要であり、計算コストはかさむ)
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