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熱制御 : 高い精度が要求される CFD 解析事例
Application Brief
2017年9月
この事例では、熱制御の高精度シミュレーションにより、複数の製品および製造工程の設計候補を短期間で評価し、競争が激しく開発スピードが求められる環境で、効率、信頼性、安全性、耐久性を向上できることを説明します。Ansysは、さらに広範囲の熱制御問題に対応する、より直観的なソリューションを提供しています。これは、より強力になったシングルフィジックスソルバーに加えて、複数のシングルフィジックスソルバーを接続する機能により可能になりました。これにより、実質的にどのような熱問題でも高精度の解析が可能です。熱制御は、高精度の解析が要求される、重要な数値流体力学(CFD) 適用事例です。
目次
- 任意の解析レベルで伝熱能力を調査
- 流体 - 固体間の熱伝達問題を1つのソルバーで高速かつ高精度で解析
- Siemensでは熱モデリングにより風洞試験時間を50パーセント削減
- 熱解析結果をMechanicalのソルバーにリンクしてさらに高精度の熱解析を実現
- 片方向連成CFDと構造 - 伝熱シミュレーションで亀裂問題を解析
- 双方向連成FSIを使用して熱変形の影響を特定
- 排気マニホールドのCFDと構造伝熱シミュレーションの双方向連成
- Ansys の流体および構造解析により、さらに高精度の熱解析を実現
- ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)により大規模な忠実度モデルの解析が可能に
- Ansys の専門家が豊富な知識と経験でユーザーの熱制御問題の解析をサポート
- 高精度シミュレーションにより製品の伝熱能力の改善をサポート
任意の解析レベルで伝熱能力を調査
ほとんどの製品やプロセスには、適温範囲(動作効率が最も高くなる温度範囲)があります。適温範囲外では、重要コンポーネントの故障、熱的/機械的ストレスによる初期故障といった問題が発生することがあります。開発段階で熱的効果を調査するのは、条件が増えてくるにつれ、複雑な熱シナリオを再現するための時間やコストが大きくなるため、実質的に難しくなります。
設計段階の初期に製品の伝熱能力のシミュレーションを実行すれば、最初から熱制御を考慮してプロトタイプを設計することができます。別のプロトタイプを用意して熱問題を調査して修正する必要がなくなるため、時間と費用を大幅に節約することができます。流体の伝熱などの熱問題を解析するには、簡単な数値流体力学(CFD)ソフトウェアを使用できます。ただし多くの事例では、固体と構造の両方で熱伝達が発生して複数の熱伝達メカニズムが関係するなど、問題がより複雑になります。熱流に関係する流体と構造が密接に連成されていて、構造の熱変形が流体の流れに影響する事例なども、解析が難しくなります。多くの場合、特定の条件下での製品やプロセスの動作を理解するために、多数の異なるメカニズムが関係する複雑に相互接続されたシステムでの伝熱を把握する必要があります。
Ansysは、流体、熱特性、構造、電磁気に対応したクラス最高のソルバーを提供しており、こうした問題を非常に簡単に解析できます。各ソルバーは最新、最先端の物理モデルに対応し、最小限の仮定値で厳密解を得ることができます。また、ソルバーを簡単に相互接続して、異なる物理領域向けに作成したメッシュ間で、高速、高精度の自動データ交換を実行することができます。これにより、熱の発生箇所から伝達先までの経路を追跡して、単純なシングルフィジックスソルバーよりも格段に幅広い問題でより高精度の解析を実行することができます。これらのツールはAnsysWorkbench環境内でシームレスに統合されているため、ごく単純な問題から非常に複雑な問題までの幅広い熱制御問題のシミュレーションと診断を、これまでより高い忠実度でより早く実行することができます。
流体 - 固体間の熱伝達問題を1つのソルバーで高速かつ高精度で解析
流体 -固体間の熱伝達の最適化は、予熱器、エンジンブロック、シリンダヘッド、タービンブレード、化学反応装置、改質炉などの多くの産業用機械で重要です。従来の伝熱解析には、多くの場合、壁面の相関関係に依存するという制限があります。これは特定の種類…