最新バージョンのリリース情報を掲載しています。
AVS/Express 8.5では、これまでのバージョンアップで強化してきた「大規模データの可視化」「気象データの可視化」「X-CT、顕微鏡ボリュームデータの可視化」「VR表示への対応」機能を更に使いやすくするためのモジュール群が追加されています。
「大規模データ」の可視化に対しては、高速三角レンダラーが追加されています。このレンダラーは標準のレンダリングとは異なる方法で、Tri/Quad要素で構成された大規模可視化データを高速でレンダリングすることが可能になります。
「気象データの可視化」に対しては、地図座標変換機能、ヒートマップ作成機能が追加されています。地図座標変換機能では、緯度経度、平面直角座標系、UTM座標系の相互変換を行うことができ、実験、計算結果で座標系が異なる場合でも、座標変換を行い結果の重ね合わせ表示することが出来ます。ヒートマップ作成機能では、多数の観測点データで構成された平面上の離散データからカーネル密度推定によるコンター図の作成が行えます。
「ボリュームデータの可視化」では、等数値面のスムージング、細線化機能が追加されています。これらの機能を利用することで、ノイズを含んだ画像から構築されたボリュームデータの可視化を行う際に、表示をなめらかにしたり、構造のみを抜き出したりすることが出来ます。
「VR表示への対応」では360度動画の作成に対応しています。この機能を利用して作成した動画はスマートフォンを利用した簡易型のヘッドマウントディスプレイでも表示を行うことができ、気軽にVRを体験してもらうことが可能になります。
2020年7月
高速三角レンダラーは、数千万、億ポリゴンといった大規模データの描画に有効なTri/Quad要素専用のレンダラーです。このレンダラーはAVS/Express標準のレンダリング機能とは異なる方法で描画を行い高速に動作します。
※標準とは異なるレンダリング方法を使用するため、高速三角レンダラーには一部制限事項があります。
※表示結果にはGEBCO(http://www.gebco.net)海底地形データを使用しています。
地図座標変換機能では、緯度経度、平面直角座標、UTM座標系の相互変換を行うことが出来ます。平面直角座標系でシミュレーションを行った結果に、緯度経度の航空写真をテクスチャーとして使用した標高データを重ね合わせてシミュレーションの想定地域をわかりやすく表示する場合に利用できます。
※ 日本周辺のみに対応しています。
カーネル密度推定による離散データの補間を行いヒートマップの作成を行います。市区町村人口分布の離散点データから、この機能を利用して2次元のコンター図を作成する場合などに利用できる機能です。
※2次元空間のみに対応しています。
等数値面のスムージング機能では、X-CTや、顕微鏡画像から作成した積層ボリュームデータから作成した等数値面などに特に有効です。こういった撮影画像はノイズの影響などにより等数値面の表面が粗くなります。スムージング機能を利用することによりこういった等数値面の表面をなめらかにすることが出来ます。
細線化機能は、ボリュームデータの一定しきい値以下の領域を1ボクセルになるまで収縮し、その結果をラインや、ボクセルとして出力する機能です。細線化を行うことでボリュームの構造をラインメッシュで表示することができ、血管や結晶などの構造を把握しやすくなります。
アルゴリズムについて
名古屋大学MISTプロジェクトの26連結の細線化(thinnig26)を利用しています。
https://github.com/mist-team/mist
ヘッドマウント型のディスプレイ上で再生可能な360度動画を作成する機能が追加されます。現在使用しているAVS/Expressのアプリケーションにモジュールを追加し動画を作成することが出来ます。また既存のGFAファイルからも動画の作成が行えます。作成した動画は動画サイトやヘッドマウントディスプレイの機器に転送することで表示でき、周囲を見回しながらの表示が行なえます。オープンキャンパスのイベント等で効果的なプレゼンテーションを行うことが出来ます。
グリッドコンターは、コンター図を描画する際に節点を中心にして要素メッシュを作成し直し、塗りつぶしのコンター図を描画する機能です。この機能を利用することでデータの定義点を中心に、その値に対応した塗りつぶしのコンターが作成できます。
分子構造の可視化を行うCCMSライブラリには、電子構造のトポロジーデータの可視化を行うためのモジュール群が追加されています。例えばSearch_Sphereモジュールは、原子の周囲の一定範囲のみを抽出するためのモジュールとなります。このモジュールを使用することで現周辺のベクトルデータを抽出し、複数の原子・分子周囲のベクトルデータの表示を行うことに利用できます。
※CCMSライブラリは東北大学 金属材料研究所殿の研究成果を組み込んだライブラリです。
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