バージョン 8.2のリリース情報を掲載しています。
今回のバージョンアップでは、これまで行ってきたデータ読み込み機能の拡張・強化をさらに進めるとともに、可視化のバリエーションを広げることでプレゼンテーション効果を高める可視化機能強化を行いました。これらの機能強化により、さらに多くの研究分野での3次元可視化ニーズに対応できるようになりました。
また、PCクラスタ・マルチコア環境での並列可視化対応版である、AVS/Express PCEも、同時に新バージョンをリリースいたします。AVS/Expressの新機能に加え、これまで領域分割データを主な対象としていた並列可視化機能を強化し、時系列大量データの時系列方向の並列可視化、複数の可視化パラメータによる並列可視化処理が可能となりました。
AVS/Express(Dev版) で作成したVファイルをそのままAVS/Express PCE上で利用してこれらの並列可視化処理を実行することができます。
2014年6月
これまで、Vis5dデータ、WRFデータなどの気象分野の解析データ読み込み機能の強化を行ってまいりましたが、今回のバージョンでは、気象分野で利用されているグリッド分析・表示システム GrADS データの読み込み機能を新たに追加しました。GrADSで気象データの表示を行っているユーザに3次元可視化環境を提供いたします(図1)。
分子・材料分野で使われる、分子動力学解析ソフトウェアLAMMPSのデータ読み込み機能を新たに追加しました(図2)。また、分子・材料分野向けの機能強化として、Gaussianデータ読み込み機能の改良も行いました(図3)。
オープンソースの可視化ライブラリVTK (Visualization Toolkit)のデータ形式である、VTKレガシーファイルのデータ読み込み機能を新たに追加しました。VTKファイル形式は、流体解析パッケージOpenFOAMなどのオープンソースの解析ソフトウェアのデータ出力や、オープンソースの可視化ソフトウェアのデータ入力形式として利用されています。今回の機能追加により、VTKファイル経由で各種ソフトウェアの出力をAVS/Expressに読み込んで可視化することができるようになりました。
HDF5(Hierarchical Data Format 5)は、科学的データの保管のためのハードウェアに依存しない規格として、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)によって開発されました。データ共有のための標準的なデータ保存方法を必要とする工学・科学の諸分野、特に衛星データの一般的な表現形式など航空宇宙分野で広く利用されています。これまでのAVS/Expressが定義した配列データの読み込み機能に加えて、一般的な配列データの読み込みができるようになりました。
3D形状ファイルであるMD2形式を読み込み、グリフ表示に利用することができるようになりました(図3)。MD2ファイルは、3D形状にテクスチャーを貼ったり、アニメーション情報を付加することができるので、観測データ・計測データの可視化や情報の可視化の表現にバリエーションが増え、プレゼンテーション効果を高めることが期待できます。
これまで横2画面、固定分割の表示しかできなかったマルチビューモジュールを改良し、縦分割、および3画面表示に切り替えることができるようになりました。さらに画面分割の割合の変更もできますので、異なるデータの同期表示や、同じデータの異なる可視化手法による同期表示をする場合の自由度が広がります(図4)。
3次元形状をテキストで記述して定義するMGF(MicroAVS Geometry ASCII Format)形式の要素として、新たに「回転体」を追加しました。MGF回転体は、(X,Y)の2次元座標で輪郭線を指定し、その輪郭線をX軸中心に1回転させることで作成される形状です。輪郭線の指定によって、円錐、楕円、すり鉢状などの形状も作成可能となり、形状定義のバリエーションが拡がります。
AVS/Expressに新たに追加された左右分割ステレオ動画ビューアーを使って、同期した2つの動画ファイルを出力することができます。このファイルは、NVIDIA® 3D VISION™ で3D映像として再生することができます。
保守契約にご加入中のユーザ様には、最新バージョンVer.8.2を、製品出荷開始日(2014年7月25日予定)以降に、順次、ご提供いたします。
※ 詳細につきましては、お問合せ先までご連絡ください。