ビジュアルプログラミング可視化ツール AVS/Express Viz/Dev リリース情報AVS/Express バージョン 8
バージョン 8のリリース情報を掲載しています。
リリース概要
AVS/Express バージョン 8
今回のバージョンアップでは、特に日本のユーザの声を反映し、4つの領域で大規模な機能拡張を行いました。
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1.可視化機能アップ
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等値面セグメンテーション、ハードウェア(GPU)球など、すべてのAVS/Express利用者に有効に適用可能な機能を拡張いたしました。また、ポイント等値面、ディスクベース可視化などの大規模データの可視化能力を向上させております。
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2.ボリューム解析
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ボリュームデータ利用者向けの機能拡張として、DICOMデータ入力、STL出力などの入出力機能強化に加えて、理化学研究所がVCADシステム研究プログラムと生物情報基盤構築チームの研究活動で開発した3次元画像処理ライブラリ「Smoother(スムーサー)」をモジュールとして実装いたしました。
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3.マルチデータ合成
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CADやCGソフトなどのアプリケーションの出力を動的に合成するFusion(フュージョン)機能を実装いたしました。従来のようなCADデータ読込みを行う必要がなく、可視化結果をプレゼンテーションに利用する場合に最適なソリューションとなります。
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4.AR(拡張現実)
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ドイツのmetaio(メタイオ)社との提携により、AR(拡張現実)の機能を追加いたしました。この機能により、AVS/Expressの可視化結果をすぐにAR環境に適用することが可能になりました。オープンキャンパスや研究室公開などの場で、研究成果を多くのみなさんに体感していただくことができます。
リリース日
2011年12月
主な新機能と特徴
1.可視化機能アップ
ポイント等値面(大規模データ対応)

【 高レイノルズ数チャネル乱流の可視化 】
データ提供:
東京理科大学 電子応用工学科 佐竹様
従来の等値面よりメモリ消費量が少ないポイント表示で等値面を表現する機能を実装いたしました。構造格子(差分法など)の場合、従来に比べ速度は約50倍、メモリ消費量は約1/2になりました。
図は、格子数約8億点(768x1024x1024)、等値面を表示したときのポリゴン数は5100万、8GBメモリのPCで可視化いたしました。
サーフェース・ポイントレンダリング(大規模データ対応)

メッシュデータ提供:東京大学 奥田様
等値面など大量のポリゴン(三角形要素)を高速に表示する機能を実装しました。
大量の面を表示する際、一つ一つの面の大きさが非常に小さくなることに着目し、面の中心にポイントを生成して表示します。この為、ポリゴンを表示するよりも高速でメモリの使用量を控えることができます。
ディスクベース可視化(大規模データ対応)
メモリに全データが入らない場合を想定してディスクベースでの可視化機能とユーザインターフェースを提供いたします。外表面や断面を表示し、目標となる領域を選択し、必要な部分だけをメモリにロードして可視化をすることができます。
UCD データ抽出

データ提供:防衛大学校 萩田様
旧バージョンも矩形領域の抽出ができましたが、新バージョンでは、球、円筒、絶対値(座標)・相対値(割合)で指定した領域の抽出機能が実装されました。これにより必要な部分を抽出する際の自由度が増します。
ハードウェア(GPU)球

【 ハードウェア(GPU)球表示 】
データ提供:防衛大学校 萩田様
ハードウェアレンダリングの球と同様に、GPUを使ったハードウェア球を実装いたしました。立体視やVR環境で有効に機能します。
等値面セグメンテーション

【 レーザー核融合の3次元爆縮における
レイリー・テイラー不安定性による
燃料球の変形例 】
データ提供:核融合科学研究所 坂上様
等値面をかたまり単位に分離できます。医療用CTデータからの部分抽出や二重になった等値面表示に応用できます。等値面が包含関係にあるとき、等値面セグメンテーション機能で内外を分離することにより、別々の透明度、色をつけることが可能となり、内部の構造をはっきりとさせることができます。
CCMS ライブラリ

データ提供:東北大学 川添様
東北大学 金属材料研究所の研究成果を標準機能として組み込みました。VASP、TOMBO (東北大学 金研様データ形式) データを可視化することができます。
分割画像出力

使用データ:NASA Visible Earth
可視化結果を分割画像の連番ファイルとして出力する機能が実装されました。
高解像度の映像をマルチ画面で表示するタイルドディスプレイでもご利用いただけます。
2.ボリューム解析
DICOMデータ入力
医療データの標準規格であるDICOMデータの読込みモジュールを実装いたしました。
STL出力
画像処理や等値面生成で作成したポリゴンモデルを3次元プリンタ(ラピッドプロトタイピングシステム)へ渡すために、ラピッドプロトタイピング分野の標準フォーマットであるSTL形式で出力いたします。
Smootherモジュール(オプション:Windows版のみ)

【 工業用CTデータのスムージング処理 】
左:処理前、右:処理後
Smootherは、生物研究のレーザー顕微鏡やX線CT、MRIなどで取得した3次元画像からノイズを除去するための画像処理ライブラリです。AVS/Expressに実装することでプログラミングが不要となり、マウス操作だけで複雑な画像処理プロセスを記述することができます。
3.マルチデータ合成(Windows版のみ)
Fusion機能
OpenGLで記述された任意のアプリケーションの出力を動的に合成することができます。図は、建築CADにAVS/Expressでパーティクルトレース(流跡線)を動的に重ね合わせて表示したものです。
4.AR:拡張現実(オプション、Windows版のみ)
AR(拡張現実)機能をAVS/Expressの一つのモジュールとして提供いたします。
マーカートラッキング、2Dマーカーレス(2Dイメージ)トラッキングの2つのトラッキング方式に対応しています。Webカメラをサポートしておりますので、掌や机の上に可視化結果をのせて見ることが、簡単にAVS/Express上で実現できます。
開発パートナープログラムについて
今回のバージョンアップ機能開発では「開発パートナープログラム」に沿ってモニターのみなさまの意見を伺いながら「使える機能」の拡張を行いました。今後も自社開発の強みを活かし、さまざまなユーザニーズに応える可視化ソリューションを提供してまいります。
開発パートナープログラムについて
過去のリリース情報