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物流業界を救うDXとは?
DX化に成功した事例を
まとめてご紹介

ネットショッピング利用者の増加に伴い、物流の需要も急拡大している現代。 物流業界にとっては好機のように見えますが、もともと人手不足や過労働が問題視されていた物流業界は、かなり厳しい状況に陥っています。 そこで推進されているのが、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)です。 AIやIoTを、どのような形で物流に活かすのか。 今回は、物流業界の現状と物流業界に求められるDX化、AR技術の活用についてご紹介します。

物流業界が抱える課題

物流業界は、さまざまな課題を抱えています。 中でも、とくに問題視されている課題について、詳しく見ていきましょう。

人手不足の深刻化

物流業界で慢性的に問題となっているのが、人手不足です。 物流業界では力仕事が多く、20〜0代のマンパワーが求められます。 しかし、時代にそぐわない長時間労働により人材の業界離れが著しく、実際はトラックドライバーの約7割が40代以上という調査結果も出ています。 また、少子高齢化も無視できません。 2065年には日本の総人口の約40%が65歳以上となる見通しで、需要と供給のバランスが崩れることは明らかでしょう。

深夜・長時間労働

物流業界でも働き方改革が進められていますが、未だ深夜労働や長時間労働などの労働環境問題は見過ごされています。 全体的な配送数の増加に加え、「送料無料」や「翌日配送」を謳う企業が増えていることから、さらに低コストの割に負担の多い労働を課せられているのです。 更に、受取人が指定した時間に不在にしていることによる、手間のかかる再配達問題も深刻化しています。 希望時間帯に配達し直すのは、労力だけでなくコスト面も負担となるのです。

小口配送増加による非効率化

当然のことながら、ネットショッピング利用者は自宅や職場などへの個別配送を希望します。 店舗や企業などにまとめて配送できる大口配送とは違い、小口配送はその数だけトラックや人手が必要となるのです。 また、個人宅への配送の場合、日にちや時間帯などが指定されれば、休日や夜間であっても対応しなければなりません。 顧客の利便性はかなり高まっていますが、それに比例して労働者の仕事効率は低下しています。

物流業界に求められるDX化

物流DXを取り入れることで、物流業界における業務の省力化、効率化が期待できます。 具体的にどのような対策が有効なのか、ご紹介します。

物流の自動化・機械化による省力化

近年、さまざまな分野でDX化が進んでいますが、物流業界でも「物流の自動化・機械化」が導入されつつあります。 以下に、具体例をご紹介しましょう。

自動仕分け

倉庫に集められた商品や荷物を、一定のルールに従って仕分けやピッキングをしてくれるマテハン機器や、DPS(デジタルピッキングシステム)などが導入されています。 あらかじめ指定した場所に、荷物を分類・配置してくれるため、人の手で1つひとつ運ぶ手間が省けます。 ただし、実際の配達や荷物の積み下ろしなどは、人の手による臨機応変の対応が必要な場面も多く、自動化の大きな課題と言えるでしょう。

自動搬送車

ビッグデータやAIの技術が発展したことにより、屋外で不特定なルートを自律走行できる自動搬送車(AGV)が誕生しました。 自動で車間距離を保ちながら目的地まで到達できるため、今後は配達分野でも自動化が期待されています。

ラストワンマイルの効率化

荷物が顧客に到達する最終の接点のことを「ラストワンマイル」と呼んでいます。 具体的には、配送拠点から顧客の手に渡るまでを言います。 近年、そのラストワンマイルを縮めてサービスを強化する動きが進められているのです。 2022年3月には、日本初「物流専用ドローン」の量産が開始されるなど、新しい取り組みが次々と始まっています。 物流業界が抱える人手不足や高齢化問題が、少しずつ解消されていくでしょう。

庫内作業の効率化

小口配送の増加に伴い、物流倉庫内の管理作業がより複雑化しています。 そこで、庫内作業においてもAI機能が活用されるようになりました。 これまで物流倉庫では数、重量、容積など荷物に関する情報を、一つひとつ手作業で入力していました。 しかしDX化により、画像認識AIが瞬時に重量や大きさ、外観を自動記録してくれるため、そこに割く人員や労力を最小限に抑えることが可能となりました。

配送状況の見える化による業務効率の向上

物流業界での「見える化」は、業者と顧客双方にメリットがあるシステムです。 これまで紙媒体であった運送手続きをデジタル化することで、配送員は荷物情報や顧客の在宅情報を把握でき、顧客は配送状況の確認や配送員とのコミュニケーションが円滑に取れるようになります。 再配達などの無駄を減らすことで、省力化・効率化が叶います。

物流業界で活用されるAR技術

物流業界では、AR技術も広く活用されています。 ARを取り入れることで、作業効率や教育効率の向上など、さまざまな効果が期待されます。

倉庫内のピッキング作業

物流業界で最も注目されているのが「ARピッキング」です。 商品棚に設置されたARマーカーを、眼鏡型のARグラスに投影させることで、該当商品がある場所がデジタル表示されます。 ピッキング作業に慣れていない人でも、スムーズにピッキング作業ができるでしょう。 また、ミスもなくなるため、作業員の心因的ストレスも大幅に軽減されます。

倉庫間の遠隔業務支援

ARグラスを使うことで、離れた場所から現場にいる作業員にリモートサポートを行うことが可能になります。 従来の物流業界では、人員不足で新人教育さえままならず、結局は熟練者がカバーするということが珍しくありませんでした。 しかし、遠隔でリモートサポートができるようになり、以前に比べると作業員の熟練度は問われなくなっています。 雇用者側は作業の効率化を図ることができる一方で、作業員側も仕事を長く続けやすい職場環境となるでしょう。

教育や研修に活用

慢性的な人員不足の状況下で、新人教育や作業員の研修を行うのは簡単ではありません。 しかし、AR技術を使って現場をバーチャルで再現することで、手軽にトレーニングができるようになります。 さらにVRを導入すれば、仮想空間内で庫内作業の実践訓練を積むことも可能です。 合わせて荷崩れや落下など、事故が起こった際のシミュレーションも行っておけば、作業員もより安全に従事することができるでしょう。

その他の業界でのAR技術の活用方法については、以下の関連記事でも詳細を解説しておりますので、是非ご覧ください。

関連記事:各業界におけるAR事例から学ぶARの活用方法と得られる効果

DX化で雇用側も作業員側も快適な労働環境を作ろう

この記事を読んでいただくことで、物流業界の現状やDXについてご理解いただけたと思います。 物流業界は、人手不足や労働条件の悪さなど、慢性的な問題を抱えています。 いきなり全行程をDX化するのは難しいことですが、AIやAR技術を部分的にでも取り入れ、業務の効率化や省力化を図りましょう。

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