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日本の製造業が抱える課題と
DXを活用した解決に注目

製造業の経営者の方に向けて、日本の製造業が抱える課題と解決法を解説する記事です。
日本の製造業は世界からも認められる高い技術力を誇りますが、現在は低迷傾向にあるといわれています。
現在生じている問題を解消していくためには、DXなど新たな技術を取り入れていくことが必要です。

今回の記事では、まず日本の製造業における現状を確認した後に、課題や今後必要になってくることを解説していきます。
記事を読んでいただければ、製造業はどのような方向性に向かうべきなのかおわかりいただけるはずです。

日本の製造業の現在地

現在製造業で生じている問題をみていく前に、まずは日本の製造業がどのような状況であるか現在地について解説します。

1:GDP成長率はマイナス成長

2020年時点で、GDP成長率はマイナス成長となりました。
理由は米中貿易摩擦や天候によるところも大きいですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響も無視できません。
新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いてからは伸びていますが、感染拡大以前の水準には達していないのが現状です。
今後3年間も大きく伸びる可能性は低いとされていて、日本の製造業全体の業績も下がってきています。

2:労働人口の減少

少子高齢化の影響により労働人口も減少しています。
政府は高齢者や女性も働きやすいよう政策を練っているものの、実際の効果が現れるのはまだ先だと考えられるでしょう。
製造業に限った話ではありませんが、少子高齢化による労働人口の減少は作業効率の低下にもつながるはずです。

3:新興国による生産品の影響

新興国による生産品の影響も大きいといわれています。
安いコストで生産できる新興国の製品が世界に広まることは、日本製商品の需要が低くなることにつながると考えられるためです。
高品質であるものの低価格ではない日本製の商品より、新興国製造の低価格商品を選ぶ消費者も少なからずいます。
コストと価格、品質のバランスが違う生産品が流通することにより、日本の製造業が低迷することも考えられるでしょう。

4:設備・環境への投資の低迷

2019年以降、日本の製造業において設備・環境への投資金額はほぼ増加していません。
つまり多くの企業において、設備や環境の最新化がされておらず、老朽化が進んだ設備を使用していると言えます。
設備導入からの経過年数は以前よりも長くなっていて、特に自動組立装置でその傾向が強く、生産設備導入からの経過年数「15年以上」は2013年に比べ約2倍。
1994年と比べると約5倍に跳ね上がり、設備・環境への投資が減っていることがわかります。
参考:モノづくり白書2019

日本の製造業が抱えている課題

それでは日本の製造業が直面している課題について見ていきましょう。

1:人材不足と雇用の維持

まず一つ目は、労働人口の減少による人材不足です。
「日本の製造業の現在地」の項目でも触れましたが、少子高齢化による人材不足は深刻な問題となっています。
特に継承者が不足しているのが中小企業です。

また新型コロナウイルス感染拡大により、雇用の形態が変化したことも影響していると考えられます。
他の業界より雇用調整が難しく、新型コロナウイルス感染拡大による雇用への影響が大きいはずです。
労働人口が減少し人材不足が深刻である中、現在の雇用の維持にも問題が生じている事業所も多くなっています。

2:熟練工の技術伝承

熟練工の技術伝承がなされないことも課題の一つです。
日本の製造業は技術力の高さによって支えられてきましたが、現在では熟練の技術を継承する人員が不足しています。
人員が不足しているのは、ひとつ前の項目で解説した「人材不足」が原因です。
また他より労働環境に恵まれていないこの業界の仕事を選ぶ若者が減ってきているとも考えられるでしょう。
熟練工の技術伝承がなされていかなければ、世界に誇れる日本の技術力は低下してしまうかもしれません。

3:IT活用の遅れ

日本の製造業ではITの活用が遅れているとされています。
IT技術を取り入れていけば、先に課題としてご紹介した人材不足や技術伝承にも対応しやすくなるはずです。
しかし「日本の製造業の現在地」で解説したように、現在は設備・環境への投資が控えられているのが現状。
また日本では、経験者の技術による製造を好む傾向があることも、IT技術の取入れが遅れている原因だと考えられます。

しかしひとつ前の項目で解説したように、熟練工の技術伝承は人材不足により難しくなっているのが現実。
世界では「第4次産業革命」と呼ばれる技術革新が進められ人材不足に対応しています。
人材不足を補うためにも、技術継承の問題を解決するためにもIT技術を取り入れていくことも検討しなければいけません。

今後の日本の製造業に求められること

それでは今後の日本の製造業に求められるのはどのようなことでしょうか?
現在の課題を踏まえたうえで、次のようなことが必要だと考えられます。

自動化・DXによる効率化と市場分析

まずは自動化・DXによる効率化と市場分析です。
DXとはデータやデジタル技術により、業務や組織を改善し、優位性を確保することを指します。
製造業でのDXには次のようなことが挙げられます。

【製造業でのDX例】

製造業では手作業で行う定型業務が多いはずです。
定型業務を自動化すれば大幅な業務効率の改善が図れるようになり、新たなものづくりに参入しやすくなるでしょう。
参入する際に市場のデータをあらかじめ収集・分析しておけば、消費者の潜在的ニーズを知れるようになります。
つまり「売れるものづくり」が可能になるのです。

そして既存顧客に新たな情報を提供し続ければ、新たな商品を購入してもらいやすくなります。
自動化・DXによる効率化と市場分析を実施していくことで、着実に良い循環へと迎えるはずです。

熟練工の技術の視覚化

技術継承の課題を解決するためには、技術を視覚化することが有効です。
熟練工の技術力をデータに変換し、若い人でも同じ技術でものづくりができるようにするのが技術の見える化。
技術力は勘や経験により育まれてきました。
しかしデータ化して誰でも実践できる流れとして見られるようになれば、誰でも同じ水準でものづくりができるでしょう。
技術継承の難しさを解決し自社の技術力を守るには、データ化して技術を見えるようにすることをおすすめします。

AR/VRを用いた改革

製造業では現在、AR/VRを用いた改革も進んでいます。
たとえば保守点検やメンテナンスを行う際に、工程をタブレットやスマートグラスに表示するなどです。
AR/VRによって工程を視覚化できれば、経験の少ない人でも保守・メンテナンスを実践できるようになります。

AR/VRの活用方法は事業所によりさまざまですが、データを可視化させることにより業務効率の改善が可能です。
結果的に人材不足や技術伝承の難しさなどの問題も解消していくことができるでしょう。
これを解決するために、AR/VRを用いた改革を進める事業所は製造業にも増えてきています。

スマートグラスを用いた製造現場改革については以下の関連記事で解説しておりますので、是非あわせてご覧ください。

関連記事>>>スマートグラスを活用した遠隔作業支援とは?AR技術の活用

製造業の課題はDX・AR/VRの活用により解決

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、日本の製造業の課題と今後求められることがご理解いただけたと思います。
日本の製造業は低迷しつつありますが、DXやAR/VRの活用により課題を解決できれば未来は明るいと言えるでしょう。

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