Speos OPTIS HPC
Ansys Speosは、CPUの複数コアによる並列計算処理に対応しています。一般的に、CPUコア数に応じて、光線追跡計算がより高速に実行されます。
所有するOPTIS HPCタスクの数まで、CPUのコアを使用することができます。Ansys Speosのパッケージには、Speosソルバーが1つ付属しており、1つのSpeosソルバーには、4つのOPTIS HPCタスクが含まれています。
より多くのコアを使用したい場合には、HPCを追加することができます。ソルバーが複数ある場合には、OPTIS HPCの振り分けは任意です。(下図)

単位時間あたりの光線追跡本数はコア数にほぼ比例します。(左グラフ)
クラウドでも同様に、複数コアでの光線追跡計算が可能です。(右グラフ)

GPU コンピューティング
GPU コンピューティング とは、CPUではなくGPUを用いて光線追跡計算を実行する機能です。搭載されたレイトレーシング専用のコアにより、CPUよりも高速に光線追跡計算をすることが可能です。
この機能は、以下のNVIDIA社のRTXテクノロジーに対応したモデルで利用することができます。
NVIDIA Turing アーキテクチャ : Quadro RTX 8000 など
NVIDIA Ampere アーキテクチャ : RTX A6000 など
NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャ : RTX 6000 Ada など
(型番など詳細についてはNVIDIA社のサイトを参照ください。)

GPU コンピューティングの利用には、Speos Premium以上のパッケージとOPTIS HPC ライセンスが必要です。必要なOPTIS HPCの数は、搭載されたGPUのSM(Streaming Multiprocessor)数に依存します。
具体的には、SM 1個 に対して OPTIS HPC 4個 が消費されます。SM数は、NVIDIAデータシートに記載されている「RTコア」の数です。

また、Ansys Speos Enterpriseパッケージでは、複数のGPUを用いた並列計算に対応しています。GPUの数に対して、光線追跡計算のパフォーマンスはほぼ比例します。

<GPU Computeの主な制約事項>
以下の機能や設定にはまだ対応していません。今後、徐々に対応していくものもあります。
- 材料:蛍光、異方性、再帰反射、複屈折、屈折率勾配、金属、不均一材料
- 光源:熱光源、アンビエント光源、ライトフィールド光源
- センサー:
3Dエネルギー密度センサー、LiDARセンサー、ライトフィールドセンサー、
平面以外の照度センサー・3D照度センサー、
極強度受光面、ニアフィールド受光面、Speos Lens System を用いたカメラセンサー - シミュレーション:
インタラクティブシミュレーション、HUD Optical Analysis、LiDARシミュレーション、
倍精度シミュレーション、インバースシミュレーションの一部 - 結果:Virtual Human Vision Lab の 被写界深度
- Light Expert
- 3Dテクスチャ
- 偏光板