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Ansys Zemax OpticStudio 2024 R2 バージョン情報

Ansys Zemax OpticStudio 2024 R2

2024年7月リリース

Ansys Zemax OpticStudio 2024 R2では以下のような新機能の追加や機能改良が施されました。
今回のアップデート内容はすべてのエディションでご利用いただけるものとなっております。

FFT MTF: マルチスレッド性能の向上 (すべてのエディション)

複数の視野と波長を持つシステムでCPU リソースをより効果的に利用できるように、FFT MTF 解析のパフォーマンスが向上しました。
以下のプロットに示されるように、複雑な設計を解析する際に大幅な速度向上が確認されています。

Ansys Zemax OpticStudio 2024 R2

このプロットは、8 CPUノードを搭載したコンピュータ上で、3つの異なる例について、今回のリリースと旧バージョンを比較したFFT MTF解析の計算時間の相対的な変化を示しています。上図のように、問題の複雑さに応じてパフォーマンスが向上しており、最新の設計問題に大きなメリットをもたらします。

Ansys Speosへ光学設計エクスポートの改善 (すべてのエディション)

[Speosへ光学設計をエクスポート] (Export Optical Design to Speos) ツールは、Speosでの高度なシステムレベル設計と迷光解析へのパスを提供することにより、完全な光学製品ワークフローを可能にします。この機能は、次のシーケンシャル面をサポートします。
[バイコーニック] (Biconic)、[バイコーニック ゼルニケ] (Biconic Zernike)、[多項式] (Polynomial)、[拡張多項式] (Extended Polynomial)、[ゼルニケ標準サグ] (Zernike Standard Sag)、[ゼルニケ フリンジ サグ] (Zernike Fringe Sag)。

次のノンシーケンシャルオブジェクトのサポートも追加されました。
[バイコーニック レンズ] (Biconic Lens)、[バイコーニック ゼルニケ レンズ] (Biconic Zernike Lens)、[拡張多項式レンズ](Extended Polynomial Lens)、[拡張多項式面] (Extended Polynomial Surface)、[ゼルニケ面] (Zernike Surface)、[バイコーニック ゼルニケ面](Biconic Zernike Surface)。

軸外しアパチャーのイレギュラリティと回転対称イレギュラリティに関する公差オペランド (すべてのエディション)

4つの新しい公差オペランドが追加され、ISO-10110-5図面標準に従って、面形状公差3/A(B/C)の正確な公差設定が可能になりました。
新しいオペランドはISOA、ISOB、ISOC、ISOD で、それぞれ公差解析対象の面にパワー、P-V(Peak to Valley)、イレギュラリティ、回転対称イレギュラリティ(RSI)、RMS イレギュラリティを追加します。
オペランドは、軸外しアパチャーにも自動的に対応します。
この機能は、自由曲面レンズや軸外しシステムの設計に特に威力を発揮します。

TSAG オペランド (すべてのエディション)

軸外しシステムでは、軸外し部分の頂点の座標系で作業すると便利なことがよくあります。
これまでのOpticStudioでは、サグは常に面の頂点のZ 軸を基準にレポートされていました。
新しいTSAGオペランドは、任意の方向の座標空間において、任意のXYZ原点からのサグをレポートします。
これにより、ユーザーは自由曲面または軸外し面の形状を任意の便利な座標系でレポートすることができます。
このオペランドは、面のサグマップ (Surface Sag map) 、面勾配 マップ (Surface Slope map)、および面の曲率マップ(Surface Curvature Map)の軸外し座標(off-axis coordinate system)オプションでも内部的に使用されます。

光源:IES TM-25 (すべてのエディション)

ノンシーケンシャルモードの[光源ファイル] (Source File) オブジェクトで、測定またはシミュレーションされた光源データの入力として TM-25ファイルを使用できるようになりました。
OpticStudioは、ノンシーケンシャル光線追跡からTM-25光線ファイルに光線をエクスポートすることもできます。
OpticStudioはTM-25光線ファイルのエクスポート時に、TM-25で定義されたデータに加えて、電場と位相のデータも含めます。[光源ビューア] (Source Viewer)、[波長に対する光束](Flux vs. Wavelength)、[光源解析] (Light Source Analysis)など、その他、OpticStudioのいくつかの機能もTM-25 光線ファイルをサポートするようになりました。

自動インストーラ (すべてのエディション)

Ansys Automated Installerを使用すると、Zemax OpticStudioと他の多くのAnsys製品を1 つのウィンドウからインストールできます。
すべてのAnsys製品のインストールを1ヶ所で行うことができるため、ユーザーは必要な製品をすぐに見つけることができ、複数の場所をクリックすることなく同時にダウンロードを実行できます。

ラーニングおよびサポートタブ (すべてのエディション)

[ラーニングおよびサポート] (Learning and Support)タブには、[Ansys イノベーションコース](Ansys Innovation Courses)、Ansys Learning Hub、Ansys Zemax [学習フォーラム] (Learning Forum)、[カスタマーポータル] (Customer Portal)、Ansys Zemax [ナレッジ] (Knowledge)へのリンクが含まれています。
この新しいタブでは、Ansys Zemax OpticStudio内のすべてのリソースを一箇所で簡単に検索できます。

APIP(Ansys製品改善プログラム)からの製品使用情報 (すべてのエディション)

Zemax専用ソリューションから、開いたアプリケーションセッション数や全体的な機能の使用状況など、製品の基本的な使用データを収集する仕組みを、Ansys製品改善プログラム(APIP)に変更しました。
このオプション機能により、Ansysはお客様にとって最も重要な機能を把握し、スピードと操作性の改善に役立てることができます。

OpticStudioを起動すると、ポップアップウィンドウ(上のスクリーンショットを参照)が表示され、プログラムへオプトインするように求められます。
APIP への参加を停止するには、[設定](Setup) -> [OpticStudio 環境設定] (OpticStudio Preferences) -> [プライバシー] (Privacy)タブに移動します。

おしらせ : ZOSファイルフォーマットの廃止 (すべてのエディション)

ZOSファイルフォーマットは廃止されました。
この変更により、ワークフローが簡素化され、人が読むことが可能な.ZMXファイル形式を必要とする長期的なユーザーのニーズに応え、Ansys Optics のユーザーエクスペリエンスの継続性が確保されます。
ユーザーは、.ZOS ファイルを読むことはできますが、保存できるのは.ZMX ファイルのみとなります。