ENT光線とは、最適化(AUT)内のみで使用可能な光線です。
ENT光線は、瞳や面上の座標で光線を指定し、指定した光線が像面や途中の面でどのようになるか〜通過座標や入射角、光路差をどのようにしたいか〜などを直接指定することが出来ます。
ユーザー定義参照光線とは異なり、指定可能な光線本数に制限はありません。初めは少し慣れが必要ですが、慣れてしまえば非常に便利な機能です。
座標、入射角、射出角、光線の方向余弦、通過位置における面の法線、光線長さ、光路長、主光線からのズレ、など。
len new res cv_lens:singlet del sol sa thi si 0 thc si 100 ccy s1..2 100 thc s2 0 !S1上の(X,Y)==(5,5)を通過する光線を追跡 tow RSI SO..3 W1 F1 5 5 1 !像面通過座標(X,Y)=(-0.02853, -0.02853) !ENT光線を使って簡単な最適化を走らせてみます。 !ENT光線は、AUTの中で定義し使用します AUT err usr !ユーザー定義評価関数のみを利用 !err bth !<=両方(CODE Vの評価関数と !ユーザー定義評価関数の両方) !を使いたい場合。 ENT s1 5 5 !S1面上の座標で指定(瞳座標でも可) ABR F1 E1 Y 1 0 !像面通過座標 X=0 を目標に設定 ABR F1 E1 X 1 0 !像面通過座標 Y=0 を目標に設定 go !S1上の(X,Y)==(5,5)を通過する光線を追跡 tow RSI SO..3 W1 F1 5 5 1 !(X,Y)=(0.00000,0.00000) |
ここでは像面上の「座標」を使用して説明しましたが、他にも以下の様々なターゲットが用意されています。
いろいろ試してENT光線に慣れましょう。
続いて、複数本のENT光線を利用してみます。レンズモデルはCODE Vのサンプルレンズを使います。
ENT光線群を利用して、簡単な収差補正をしてみます。
CODE Vサンプルモデルを使って初期レンズを作成します。
len new res cv_lens:telephot del sol sa thi si 0 thc si 100 thc s1..i-1 0 yan 0 3 6 8 10 tow vie;nbr;go tow rim;ssi 0.5;go !現時点の横収差図 |
aut err usr y fl si r1 = 18 efl = 100 oal s1..i < 85 !ENT光線を定義します。 !絞り面上のX-Z断面上の光線(サジタル光線を想定) ent s6 7 0 !E1 ent s6 4 0 !E2 ent s6 1 0 !E3 ent s6 -1 0 !E4 ent s6 -4 0 !E5 ent s6 -7 0 !E6 !絞り面上Y-Z断面上の光線(メリディオナル光線を想定) ent s6 0 7 !E7 ent s6 0 4 !E8 ent s6 0 1 !E9 ent s6 0 -1 !E10 ent s6 0 -4 !E11 ent s6 0 -7 !E12 abr f1..5 e1..6 si dx !E1~6でX方向のズレを最小に abr f1..5 e7..12 si dy !E7~12でY方向のズレを最小に go tow rim;ssi 0.5;go !最適化実行後の横収差図 |
ここでは像面上の「座標」を使用して説明しましたが、他にも以下の様々なターゲットが用意されています。
いろいろ試してENT光線に慣れましょう。