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ビジネス最前線におけるスマートグラスの活用事例

スマートグラスとは、映像と音声の機能を持つ眼鏡型のデバイスです。
最近ではものづくりの現場におけるDX化が注目されるようになり、作業の効率化等の観点から、建設現場や製造業、工場現場など幅広い場面で積極的に活用されています。

しかし事実として、製造業でこうしたDX化の動きが十分に浸透しきっているとは言い切れず、導入に対してなかなか踏み込めないという企業も数多く存在します。

そこで本記事では、スマートグラスのメリットと活用事例について解説します。
スマートグラスを導入すべきかどうかで迷っている企業のご担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

スマートグラスとは?

スマートグラスは、映像や音声機能に特化した眼鏡型のデバイスで、遠隔作業支援や動画記録、Web会議など幅広く活用できるため利便性が高く、さまざまなシーンで取り入れられています。

スマートグラスは、多くの場合スマートフォンなどと連携が可能で、アプリやWebシステムと連携させて使用することもあります。
例えば、スマートフォンでWeb会議に参加した場合、片手での作業しかできませんが、スマートグラスとWeb会議の機能を連携させることで、ハンズフリーの状態となるため、会議に参加しながらに別の作業を行うことが可能になります。

他にも、スマートグラスを活用すると、遠隔地作業時にARガイドを表示しつつ遠方から作業支援ができるため、製造業において、作業の効率化・教育コストの削減の観点から、注目されています。
また、スマートグラスでは、作業マニュアルに関して次のような使い方もされています。

また、ユーザーの視点でのそのままの景色を記録することができるため、作業記録などの面でも活用することが可能です。

スマートグラスを活用するメリット

スマートグラスでは、その他にもさまざまなメリットが得られます。
ここからは、スマートグラスを活用するメリットについて詳しくみていきましょう。

生産性の向上

スマートグラスを利用すると、資料確認のためにわざわざ目を通さずとも必要な資料を表示させて確認することが可能です。

また、現場担当者は遠方に指導者がいた場合でも、スマートグラスを介して情報を共有できるため、すぐに指示を仰ぐことができます。そのため、これまで無駄になっていた時間を大幅に削減でき、結果的に作業効率や生産性の向上につながります。

コスト削減

スマートグラスを利用した場合、現場の社員に着用させることで遠方からの正確な確認が可能となるため、責任者が幾度も現場に出向く必要がなくなり、これまでかかっていた移動・時間コストの削減を見込むことができます。

また、スマートグラスを用いることでARを通じて作業ガイドを表示することができ、対象物を見た際に、作業箇所や作業内容の指示がグラス内に表示させることが可能です。
その結果、担当者はAR作業ガイドに従うだけで正しい作業が行えるため、経験の浅い社員でも作業が可能になり、人材育成にかかる手間や費用を減らすことができます。

人材育成

これまでの製造業の現場作業は、マニュアル化や言語化が困難な場合が多く、現場で仕事を教えるにあたり、熟練者は1人の新人につきっきりにならなければならない場面が多く発生していました。

しかし、スマートグラスを利用することで、新人は現場、熟練者は遠方にいながら複数人に対する指導が可能となるため、人材育成の効率が大幅にアップします。

スピードアップ

一般的に指示者が本社などの遠方にいる場合、現地での確認や指導を仰ぐためには、指示者はその都度現場に足を運ぶ必要があります。
しかし、スマートグラスを利用することで、現場の状況が遠方にいながらでも確認することが可能になります。

そのため、出張の手間や相談に必要な時間を大幅にカットでき、作業時間が大幅に短縮し、作業のスピードアップにつながります。

スマートグラスの活用事例

スマートグラスは実際に多くの現場で導入されています。 ここからは、製造業・建設現場における具体的な活用事例をみていきましょう。

りんかい日産建設株式会社

湾岸工事などに豊富な実績のある、りんかい日産建設株式会社では、音声認識型のスマートグラスを導入しています。

工事現場では監査官の現場臨場が随時必要ですが、工事現場の多くが全国各地に点在するため、これまでは現場に出向くための移動経費と時間がかかっていました。
しかし、完全ハンズフリーで音声認識できるスマートグラスの導入により、監督官は遠隔地にいながら、現場確認をすることができるようになりました。

現場臨場が従来の約5分の1となり、監督側の移動時間とコストの減少に加え、受注側の待ち時間も大幅に減少しています。
これまで現場対応に割かれていた人的リソースが不要となり、他の業務にリソースを割くことが出来るようになったという、作業効率化の最たる事例です。

中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社

NEXCO中日本グループである、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社では、高速道路の保全や点検業務を行っています。

この会社では、一人で作業を行う現場では、困ったことが起きた場合は無線や電話を用いてオフィスに相談する手法を取っていました。
通常、無線や電話を用いる場合、作業員はその都度仕事の手を止めなければなりません。加えて、状況を口頭のみで伝えるため具体的な状況がうまく伝わらず、相互理解にも多くの時間を必要としていました。

しかし、無線型のスマートグラスを導入したことで、現場と遠方で同時に同じ映像を見ることが可能になり、リアルタイムでスムーズな意思疎通を行うことが出来るようになりました。
さらに、点検時の視界を遮らないため、作業員の安全性も確保することもできています。

くわえて、スマートグラスの導入により、現場とオフィスだけでなく現場同士の会話も可能になったため、隣接した現場同士での進捗確認にも活用されています。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社では、整備士のトレーニングと実習指導にスマートグラスを使用しています。

具体的には、スマートグラスの導入によって、整備士が従来のような分厚いマニュアルを読み込むこともなく手順を理解し、さらに部品の取り付け方法をステップごとに確認できるようにしました。
その結果、実際に部品を取り付ける位置も点線で表示されるため、整備士は迷うことなく部品の取り付けが可能となり、「人」単位での作業の効率化を実現しました。

また、経験が必要となる複雑な修理や通常と異なるような修理が生じた場合にも、スマートグラスが活用されています。
具体的には、遠隔地にいる専門家と現場の映像をリアルタイムで共有できるため、専門家は遠隔地にいながら、現場の悩みや問題点をすぐに解決できるようになり、これまでにかかっていた専門家の移動時間やコストが大幅に短縮されました。

スマートグラスの導入により作業効率が大幅に上昇したため、顧客に修理した車を引き渡すまでの時間も短縮でき、社員の働き方を時短により縮小させることに成功しました。

Nestle

最後に、食品会社大手のネスレを紹介します。
ネスレは、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を機に、各工場と専門家の連絡をスマートグラスで行うようになりました。

実際に、360度のカメラの付いたスマートグラスにより、遠隔地の専門家はARマーカーや映像を用いて現場に的確なアドバイスが行うことができるようになり、製造ラインの新設や再設計、メンテナンスや機器点検を遠隔地から行うことが可能になりました。
これにより、移動時間やコストの大幅な削減を実現させています。

例えば、タイの飲料工場の製造ラインを新設する際に、スイスにある研究開発チームが遠隔で支援しており、その他にも世界各国のラインの増設や新しい形の菓子作りなどを遠方にいる専門家と連絡を取りながら行うことができるため、これまで以上にスピード感を持って業務を遂行することが出来るようになりました。

スマートグラスでビジネスを加速

スマートグラスをビジネスシーンで活用すると、作業効率や生産性が大きく向上します。

例えば、今までベテランしか対応できなかった作業工程であっても、ARの作業ガイドを取り入れることにより、多くの新人がこなせるようになり、人材育成にかかる手間やコストを大きく短縮することができます。

このように、スマートグラスには生産性アップ・出張コストの削減・人員育成のスピードアップなどものづくりの現場をサポートする多くのメリットがありますので、ぜひ現場への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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