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独自の進化を遂げた最適化ソフトウェア「OPTIMUS」Rev9機能紹介
CAEのあるものづくり Vol.12|公開日:2010年4月
目次
当社取り扱いの最適化ソフトウェア「OPTIMUS」がバージョンアップしました。今回は非常に早いペースで独自の進化を続けている、OPTIMUSの独自性を表す2点の新機能についてご説明します。
ユーザ・カスタマイズ・インタフェース(UCI)
最適化ソフトウェアは、「バッチプログラミングができる人達以外にも、誰でももっと簡単にCAEシミュレーションの自動化が出来れば」、という声から誕生しました。しかし、実際に最適化ソフトウェアを利用しているお客様のほとんどが、自動化の設定に時間がかかり思ったほど効果的に利用できていないと感じています。各最適化ソフトウェアベンダーも、この問題点に対応する「ダイレクト・インタフェース」機能を次々とリリースしていますが、その数は十分ではありません。もっと簡単にダイレクト・インタフェースを作ることができれば、全てのCAEユーザがもっと簡単に最適化ソフトウェアを利用できる、というアイデアからOPTIMUSでは2年前から新しい機能開発を始めました。それが「ユーザ・カスタマイズ・インタフェース(UCI)」です。
ユーザ・インタフェースとは、自動化したい対象のCAD・CAEソフトウェアの入力/出力ファイルを読み込むと自動的に、OPTIMUSが入力/出力のパラメータを判別して、ユーザはそのインタフェースGUIの中で、それらの候補の中から入力/出力パラメータを選んで自動化の設定ができるものです。従来のテキストファイルから抽出ルールを用いた、手動の抽出に比べて断然にスピードアップが図れます。
また手動の抽出と比較した別のメリットとして、
- 複雑な構成や膨大なサイズの入出力ファイルから任意の設計変数や目的関数を探し出し、設定する手間と時間を省略
- ツールの入出力ファイルの構文の理解が不要(従来:構文の理解が必要)
- テキストとバイナリの両方のファイル形式に対応(従来:バイナリファイルは困難)
- 自動化設定時の人為的な設定ミスを防止
- 一度作成したUCIは、社内で共有が可能
また、異なるバージョンに対応したインタフェース作成や管理も1つのインタフェースで設定ができますので、社内事情によるCAEソフトウェアの古いバージョン利用についても問題なく自動化設定が可能です。このUCIには、テンプレートが用意されており、そのテンプレートを使ってユーザ自身が独自のインタフェースを作成することができます。当社では、技術サポートやセミナーなどにて、UCIの作成方法に関するトレーニングを行っています。またコンサルティング・サービスの一環としてユーザ向けに特別にUCIを作成する業務も請け負っています。
もちろんAnsys Workbenchを自動化するためのユーザ・インタフェースもあります。このインタフェースを用いることでAnsysユーザは非常に簡単に、OPTIMUSとの自動化が設定でき、OPTIMUSの持つ多目的最適化機能や品質工学機能をすぐに実行することができます。現在このダイレクト・インタフェースはAnsysWorkbench 12.1まで対応しています。また当社では、OPTIMUSと同時にAnsysも販売・技術サポートを行っているために、他社にはないトータルな技術サポートやコンサルティング・サービスをお客様にご提供しています。
最適化のプロセスをインタラクティブに学習できるポスト処理
最適化検討において、初期設計の場合にその設計空間が広いため(あるいは不明であるため)、考慮すべき設計空間を絞り込みたいがどのように絞り込めばよいかわからないというケースが多く存在します。また、制約約条件が多く(厳しく)、現在の設計案がどの制約条件を満足していないのか把握できないというケースや、制約条件を変更したいがどの程度変更できるかわからないというケースにも出くわすことが多くあります。だからといって無作為に、モンテカルロ法やラテン超方角法、または多目的最適化手法という様な、計算回数の多い手法を用いて計算機のシミュレーション・コストを無駄に増やす方法は得策とは言えません。本来、最適化ソフトウェアとは、単に最適化の手法に依存した解をユーザに提供するものではなく、ユーザに様々な情報や意思決定の支援を行うツールであるべきです。そこで、OPTIMUSでは、ポスト処理をインタラクティブにユーザに実行させることで、上記のような問題に対して、利用するユーザが最適化のプロセスやアプローチをしっかりと学習しながら最適空間を把握することのできる機能を搭載しました…