解析事例
Ansys SIwaveによる電源プレーンの可視化とIRドロップ解析
Ansys SIwaveによる電源プレーンの可視化とIRドロップ解析の概要
こんな方におすすめ
- デバイスの推奨動作電圧に対するマージンを確認したい
- 配線パターン、ビアによる抵抗損失を考慮しレイアウト修正の必要箇所を見極めたい
- 熱流体解析ツールに配線パターンの損失データを渡したい
解析概要
デバイス(IC)を使用するうえで推奨動作電圧(マージン)を確保することは設計の基本事項になります。
この事例では電圧レギュレータモジュール(VRM)から電圧(電流)供給先ICの電源プレーン、GNDプレーンに至る電圧降下と電流密度分布を可視化します。
これにより設計者はPCBの電源設計における問題をいち早く発見するとともに、配線幅の調整などPCBレイアウトの修正検討を迅速におこなうことが可能です。
この事例では電圧レギュレータモジュール(VRM)から電圧(電流)供給先ICの電源プレーン、GNDプレーンに至る電圧降下と電流密度分布を可視化します。
これにより設計者はPCBの電源設計における問題をいち早く発見するとともに、配線幅の調整などPCBレイアウトの修正検討を迅速におこなうことが可能です。
使用ソフトウェア
Ansys SIwave 2024R1
背景/課題
昨今のエレクトロニクス製品には数多くのIC(LSI)が使用されており、それぞれの定格内で正しい電圧と電流を供給しなければなりません。
PCBレイアウトではパターンやビアなど導体に電流が流れるとそれらの抵抗成分により必ず電圧降下(IRドロップ)が発生します。
高密度・高機能な製品では電圧降下を見過ごすこともあり、シミュレーションの活用が有効です。
PCBレイアウトではパターンやビアなど導体に電流が流れるとそれらの抵抗成分により必ず電圧降下(IRドロップ)が発生します。
高密度・高機能な製品では電圧降下を見過ごすこともあり、シミュレーションの活用が有効です。
解析対象および解析手法
解析対象
解析対象はPCのリファレンスサンプル基板を用います。
解析手法
解析には SIwave Workflow Wizard を用います。
SIwave Workflow Wizardでは解析に必要な下記の設定をWizard形式で自動設定できます。
SIwave Workflow Wizardでは解析に必要な下記の設定をWizard形式で自動設定できます。
解析条件
この事例では、電源ネットを指定しVRM U4B1の電源を3.3V、電流消費源として BGA U25 に1Aを指定しています。
解析結果
電圧降下
IRドロップ-電圧値コンター図を示します。
BGA U25の3.3V端子の電圧値は 3.286Vであることが分かります。
これにより電圧定格値の許容範囲5%未満に収まっていることが確認できます。
BGA U25の3.3V端子の電圧値は 3.286Vであることが分かります。
これにより電圧定格値の許容範囲5%未満に収まっていることが確認できます。
電流密度
IRドロップ-電流密度コンター図を示します。
電流密度は電源プレーンだけでなくGNDプレーンの内容も表示され、電圧降下が大きい場合の電流集中箇所の発見に役立ちます。
電流密度は電源プレーンだけでなくGNDプレーンの内容も表示され、電圧降下が大きい場合の電流集中箇所の発見に役立ちます。
ビアの電流値
ビアに流れる電流値を確認します。
この例ではVRM近傍のビアに1Aの電流が流れていることが確認できます。
これによりPCBの品質や定格に問題がないか確認することが可能です。
この例ではVRM近傍のビアに1Aの電流が流れていることが確認できます。
これによりPCBの品質や定格に問題がないか確認することが可能です。
解析レポート
DC-IR Drop解析では、電圧値、電流値の他、様々なレポートを出力することができます。
本解析の効果
- 電源プレーンの電圧降下を確認しICの定格への合致を確認できます。
- 電源およびGNDプレーンの電流密度を確認し電圧降下の原因を検証できます。
- 電源パワーツリーにより電源経路を簡単に確認できます。
- ループ抵抗やRLテーブルにより電圧降下の原因を検証できます。
- HTMLレポートにより解析結果をまとまったレポートとして活用できます。
- 熱流体解析ツールに必要なプレーンの電力マップを出力できます。