解析事例
PCB 周波数スイープ解析事例
PCB プレーン周波数スイープ解析によるノイズ対策
PCB 周波数スイープ解析事例の概要
こんな方におすすめ
- LSI 動作時の PCB 電源ラインの電圧変動を確認したい
- LSI 動作時の PCB プレーンの共振状態を簡易的に確認したい
- 電源ラインが影響を及ぼす EMC 対策を実施したい。
解析概要
周波数スイープ解析は PCB 線路の電位差をプロットします。例えば良く用いられる例として LSI動作時の PCB 電源プレーンの電圧変動をプロットし、変動を抑える対策に使用します。
これは共振解析より実機測定のイメージに近く、対策は共振対策に類似します。周波数スイープから見える電圧変動は共振と同様に特性周波数における信号ノイズを増長し回路の安定性と EMC の放射の問題となります。
Ansys SIwave の周波数スイープ解析を使用することにより、電気設計者はより設計に近いイメージでノイズの原因となる電源特性を解析し対策を検討することができます。
この事例では周波数スイープ解析を実行し、電圧変動の大きい部分に、対策としてキャパシタを配置して効果を確認します。
これは共振解析より実機測定のイメージに近く、対策は共振対策に類似します。周波数スイープから見える電圧変動は共振と同様に特性周波数における信号ノイズを増長し回路の安定性と EMC の放射の問題となります。
Ansys SIwave の周波数スイープ解析を使用することにより、電気設計者はより設計に近いイメージでノイズの原因となる電源特性を解析し対策を検討することができます。
この事例では周波数スイープ解析を実行し、電圧変動の大きい部分に、対策としてキャパシタを配置して効果を確認します。
使用ソフトウェア
背景・課題
昨今のエレクトロニクス製品は多機能・高速化が進んでおり、PCB には数多くの IC(LSI)-回路が搭載されています。多層 PCB では電源プレーンと GND プレーンが対向すると共振現象に基づく電圧変動を誘発します。
これは PCB 上の回路動作や EMC ノイズに影響を与えるため設計者はノイズ対策基本として取り組まなければなりません。
これは PCB 上の回路動作や EMC ノイズに影響を与えるため設計者はノイズ対策基本として取り組まなければなりません。
解析対象および解析手法
解析対象
解析対象は PC のリファレンスサンプル基板を用います
解析手法
① 電流を出力する LSI のピンに電流正弦波を入力します。
② 電圧変動を見たい個所に電圧プローブを配置します。
③ 解析を実行します。
これにより電流を入力したパターンと GND 間の電位差と任意の場所の電圧値を確認することができます。
解析条件と解析の実行
① PCB 右下にある LSI(U41)の電源プレーンに電流正弦波を入力します。
② 電圧変動を見たい個所(ここでは 4 隅)に電圧プローブを配置します。
③ 解析周波数レンジを設定して解析を実行します。
解析結果
周波数の変化による電源電圧変動 プローブ電圧
プローブ 4(PCB 左端)の位置(グラフオレンジ色)で 15mV@950Hz の最大電圧変動があることが分かります。
周波数の変化による電源電圧変動コンター図
950MHz における電圧変動のコンター図です。
上記、電圧変動プロット図で電圧変動の大きい場所がどこにあるか確認できます。
上記、電圧変動プロット図で電圧変動の大きい場所がどこにあるか確認できます。
キャパシタ配置による電源電圧変化の抑制
キャパシタを電圧変動が大きい場所に追加します。
キャパシタ追加後の電源電圧変動コンター図
キャパシタの配置により電圧変動が少なくなっていることが確認できます。
周波数の変化による電源電圧変動 プローブ電圧比較
追加キャパシタ無し(No_CAP)データと追加キャパシタ配置(with_CAP)のプローブ電圧を比較します。
点線で示すのが追加キャパシタ無し、実線で示すのが追加キャパシタ有のデータです。
2か所キャパシタを追加したことで電圧変動が小さくなっていることが分かります
点線で示すのが追加キャパシタ無し、実線で示すのが追加キャパシタ有のデータです。
2か所キャパシタを追加したことで電圧変動が小さくなっていることが分かります
本解析の効果
- 周波数スイープ解析をおこなうことで設計イメージに近いかたちでパターンの電圧変動を確認できます。
- 電源プレーンの周波数スイープ解析をおこなうことで回路信号に影響を及ぼす電圧変動を把握し対策を実施することができます。
- 周波数スイープ解析の結果は電源のインピーダンス変化や共振、EMC と密接に関係するため、電圧変動を抑えることが EMC 対策にもなります。