解析事例
ビアを含む差動線路のアイパターン解析
こんな方におすすめ
- GHz帯で伝送線路特性に大きく影響を与える線路間の結合の理論検証、設計前検証、要素検証を必要とするPCB設計者
- ビアの製造方法で異なるインピーダンスの不連続が影響する伝送線路・PCB設計者
差動ビアを含む差動線路に於けるアイパターン解析を行い、ビアのバックドリルの有無による受信端波形の違いおよび周波数特性の違いを比較します。
- 図1はDesignerでHFSSで作成した差動ビアをインポートして作成した差動線路全体のシミュレーション回路図です。入力信号源はアイパターン解析専用の駆動モデルを配置し、本事例では13ビットのPRBSパターンを使用しています。受信部にアイプローブを配置してアイパターンを観測します。
- 図2はHFSSで作成したバックドリル無しとバックドリル有りの差動ビアモデル概観図を示したものです。
- 図3は差動ビアモデルの側面図と上面図を示したものです。図中のHbdはバックドリルの深さを意味します。
- 図4はTDRの解析結果で、バックドリルが無い場合は、ビアスタブの影響でインピーダンスの低下が発生しているのに対しバックドリル有りの場合はインピーダンスの変動が小さく押さえられているのが判ります。
- 図5は差動のSパラメータ(Sd1d1)とスミスチャートを示したものです。バックドリル有りの場合は周波数特性が大きく改善されているのが判ります。
- 図6はデータレートを5GHz,10GHz,15GHzの場合について解析したアイパターン解析結果を示したものです。高周波信号に対してバックドリルの効果が大きく現れているのが確認できます。
解析結果
図1 差動ビアを含む差動線路のシミュレーション回路図
図2 HFSSで作成したバックドリル無しとバックドリル有りの差動ビアモデル概観図
図3 差動ビアモデルの側面図と上面図
図4 TDR解析結果
