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Ansys Speos 2024 R1 バージョン情報

生産性の強化

・OpticStudio デザインインポート

Zemax OpticStudioとSpeosの間の新しいリンク機能「Optical Design Exchange (ODX)」が実装されました。
Zemax OpticStudioで設計されたレンズデータをODXファイルとしてエクスポートし、これをSpeosにインポートできます。
ODXで取り込まれるコンテナには、レンズ形状や絞りなどの形状パラメータ、ガラスカタログやコーティングなどの光学材料特性、照度センサーといった要素が含まれます。
これにより、オプトメカニカル設計やシステム全体の検証、迷光解析などが可能になり、シームレスな解析フローを実現できます。

・Speos Light Box のブラックボックスオプション

Speos Light Boxは、光源やジオメトリの定義にも使用される、データ変換コンポーネントです。
新しいSpeos Light Boxでは、データを暗号化して、ブラックボックスとして出力することができます。
これにより、ライトボックスに含まれる、光源やジオメトリ、光学特性に、アクセス制限をかけることができ、完全なIP保護が可能になります。

・LXP ray tracing - 断面表示

Light Expertは、XMPの結果表示で、関心のある領域に絞り込んで、光路を可視化するユニークなワークフローです。
光路は3Dビューで可視化され、シミュレーションに関与する様々なジオメトリとの相互作用を表示するため、迷光解析や漏れ光解析によく使われてきました。
しかし、これまでのバージョンでは、断面表示をしようとすると、光路表示が消えてしまい、断面表示をさせてから、光路表示をする必要がありました。
今回のアップデートでは、Light Expertで光線を表示したまま、3D形状で断面表示に切り替えることができるようになりました。断面の変更も容易におこなうことができます。

Result Experience

・Live Preview の強化

Live Previewのユーザーインターフェイスが、モダンなデザインに一新され、直感的になりました。
メニューは、ウィンドウの左下と右下にある2つのダイヤルと、左上のボタンに集約されています。
右下のメニューからは、True Color、Human Vision、Color Managementを選択したり、Adaptationを設定することができます。
左上のボタンでは、シミュレーションで設定した複数のセンサーの中から、見たいセンサーに簡単に切り替えることができます。
4K表示にも対応しました。

・VR Lab - Support of HMD tracking

Speos 2024R1では、VR Labの表示をヘッドマウントディスプレイに複製表示することが可能になります。
Observer Sensor、Immersive Sensorで使用することができます。
従来は、画像の中央のように、モニター表示していました。
画像の右側のモニターでは、ヘッドマウントディスプレイで表示される左右眼視をモニター表示しています。
バーチャルディスプレイでのサイズは、自動調整されます。
トラッキング機能にも対応していますので、頭を動かすことで、視線や視点を変更することができます。
手軽な、3Dデバイスで、立体視やスケール感を体験することができます。

Speos GPU

・Lumerical Sub-Wavelength Model の GPU対応

Speos 2024R1では、Lumerical Sub-Wavelength Model (LSWM)完全互換になりました。
回折など、Lumericalで解析した結果を使用した、GPU Computeが可能になります。
これは、ローカル環境でも、HPC環境でも実行可能です。
Live Previewにも対応し、JSONファイルの変更や、環境の変更、入力波長の調整、といった操作が可能です。
また、Multi GPUの環境にすれば、更に高速化を実現することができます。

センサー、自動運転

・Physical Camera Sensor

新機能であるPhysical Camera Sensorは、シミュレーション時間の短縮に貢献します。
光学系の入口に光線をエイミングすることができ、ダイレクトシミュレーションを使用することが可能になります。
また、迷光解析で検出された光路を考慮し、関心のある光路のみにフォーカスを当てて検証することが可能になります。

従来は、迷光解析や画質評価をおこなう場合、インバースシミュレーションを使用することが多くありました。
このとき、光学系のあらゆる光路の統計ノイズを減らすため、高性能なマシンや長い計算時間を必要としていました。
こういった場合に対して有効な機能になります。

・Speos Lens System –収差の再現

Speos Lens Systemは、Camera Sensorで使用できる低次元化モデルです。Zemax OpticStudioで生成されます。
2024R1では、Zemax OpticStudio及びSpeosで、低次元化モデルの内容が更に進化しました。
幾何収差や色収差をサポートし、レンズ特性をより忠実に再現することを可能にしました。