#13 公差累積表
公差累積表とは

公差累積表/公差解析表の例
今回は演習として公差累積表の作成を Excel を使って行います。
この表には、寸法や許容差、感度などの情報をまとめ、ワーストケースや二乗和平方根を計算し、さらに寄与率を求めます。
このような一覧表を作成することは、公差解析における基本であり重要な作業です。
演習用のExcel ファイルは下記のボタンよりダウンロードいただけます。
この表には、寸法や許容差、感度などの情報をまとめ、ワーストケースや二乗和平方根を計算し、さらに寄与率を求めます。
このような一覧表を作成することは、公差解析における基本であり重要な作業です。
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自社オリジナルの “公差累積表” 作成のすすめ
公差解析図を作成し、公差累積表を作成することは、公差解析においては重要なところです。
そのため、各企業で統一された公差累積表の標準を決めることをおすすめします。
例えば、私の友人であるブライアン氏は、講習会において公差累積表を作成しています。
その表を見ると、目的や問題点、設計変更の改訂番号(リビジョン番号)、作成者の情報などが細かくフォーマット化されており、非常によくできているなと感じました。
こういった公差累積表への寸法や許容差のデータ入力を自動化するために、Excelのマクロを活用することも有効です。このような取り組みにより、各企業での公差管理を標準化し、業務の効率化を図ることができます。
そのため、各企業で統一された公差累積表の標準を決めることをおすすめします。
例えば、私の友人であるブライアン氏は、講習会において公差累積表を作成しています。
その表を見ると、目的や問題点、設計変更の改訂番号(リビジョン番号)、作成者の情報などが細かくフォーマット化されており、非常によくできているなと感じました。
こういった公差累積表への寸法や許容差のデータ入力を自動化するために、Excelのマクロを活用することも有効です。このような取り組みにより、各企業での公差管理を標準化し、業務の効率化を図ることができます。

公差累積表 (公差解析表) の例
尚、表内には「マルチプライヤー」と記載されていますが、これはベンダライジング(標準化)の手法の 1 つです。
二乗和平方根 (RSS) を1.5倍する計算が用いられています。
二乗和平方根 (RSS) を1.5倍する計算が用いられています。
【演習】 Excel で公差累積表を作ってみよう
ここでは、構造物の公差解析を例に、公差累積表をExcel にて作ってみましょう。
動画の中でご紹介している演習用のExcel ファイルを下記のボタンよりダウンロードいただけます。
動画の中でご紹介している演習用のExcel ファイルを下記のボタンよりダウンロードいただけます。
本例では、両脇に2本の柱があり、それらが上部の天井を支えています。
中央にはもう1本の太い柱があり、その隙間が重要な寸法となります。
この構造物に対し、公差解析を行います。
中央にはもう1本の太い柱があり、その隙間が重要な寸法となります。
この構造物に対し、公差解析を行います。

ループを考える場合、解析寸法を起点とし、
1. 下方向に進み、左側を経由して一周回るタイプ
2. 右側を経由して一周回るタイプ
の2通りが存在します。必ず通るのは -20.0-0.5 の部分になります。
感度と上下の許容差の計算
ここで注意すべき点は “符号” の取り扱いです。
一般的に、上向きの寸法をプラスとし、下向きをマイナスとします。したがって、感度の欄にはマイナスの値を入れておくとよいでしょう。
許容差の表示方法には、±表記と片側公差表記があります。
本例では、0〜-0.5の片側公差が指示されています。こういった時に使われるのが中央値変換です。
中央値変換では、上限値と下限値の平均を求め、計算の基準とします。
ここでの寸法は「20.5」、上の許容差が 「+0.0」下の許容差が「-0.5」となります。
次に、21±0.6の寸法についても、同様に解析を進めます。
この場合、感度は0.5となるため、寸法値を0.5倍したものを公差累積表に記入します。
一般的に、上向きの寸法をプラスとし、下向きをマイナスとします。したがって、感度の欄にはマイナスの値を入れておくとよいでしょう。
許容差の表示方法には、±表記と片側公差表記があります。
本例では、0〜-0.5の片側公差が指示されています。こういった時に使われるのが中央値変換です。
中央値変換では、上限値と下限値の平均を求め、計算の基準とします。
ここでの寸法は「20.5」、上の許容差が 「+0.0」下の許容差が「-0.5」となります。
次に、21±0.6の寸法についても、同様に解析を進めます。
この場合、感度は0.5となるため、寸法値を0.5倍したものを公差累積表に記入します。

中央値変換
中央値変換をするときは、元の寸法20.5に、上の許容差と下の許容差を足して2で割った値-0.25を加えて、20.25とします。
ワーストケース
公差の累積を計算していくとワーストケースで、0.75±0.75が得られ、最悪の場合で、すきまは0になり、ギリギリ接触するかもしれないということがわかります。
二乗和平方根の計算
二乗和平方根では、各々の許容差を二乗し、その値を合計してルートを取って、±√(0.193)となります。
寄与率の算出
寄与率とは、各公差成分が全体の誤差に与える影響を示す指標です。
二乗和平方根の寄与率の場合、分子には各許容差の二乗の値を、分母には各許容差の二乗の和を取って計算します。
これにより、各寸法の寄与率が求められます。
寄与率が特に高い寸法は、誤差の影響が大きいため、設計の改善が必要な箇所と判断できます。
二乗和平方根の寄与率の場合、分子には各許容差の二乗の値を、分母には各許容差の二乗の和を取って計算します。
これにより、各寸法の寄与率が求められます。
寄与率が特に高い寸法は、誤差の影響が大きいため、設計の改善が必要な箇所と判断できます。
「公差累積表の作成方法」を動画で解説!
ワーストケース、二乗和平方根の計算式など、より詳細な内容は、YouTube チャンネル「みんなの公差」で解説しています。ぜひご視聴ください。

#13 公差累積表
Excel の計算結果が間違っていないかを確認するには?
Excel の手計算では間違えることもよくあります。
そのため、公差累積表の作成後に公差解析ツールで計算結果が間違っていないかを確認できるとよいと思います。
CETOL 6σで計算すると下記のような結果になります。

CETOL 6σが間違えることはないので、手計算の結果が異なる場合は設定が間違っていることが多いです。
ツールでチェックして間違えを見つけることができるのはありがたいことで、クロスチェックは非常に重要です。
特に、「感度」が入る計算ではケアレスミスをしやすくなります。
このように公差累積表を作成しておくと、公差解析の結果を整理でき、あとで見直す際にも役に立ちます。
本動画に関するご質問や、鈴木先生に解説して欲しい内容に関するリクエストなどございましたらお気軽にお問い合わせください。
ツールでチェックして間違えを見つけることができるのはありがたいことで、クロスチェックは非常に重要です。
特に、「感度」が入る計算ではケアレスミスをしやすくなります。
このように公差累積表を作成しておくと、公差解析の結果を整理でき、あとで見直す際にも役に立ちます。
本動画に関するご質問や、鈴木先生に解説して欲しい内容に関するリクエストなどございましたらお気軽にお問い合わせください。