『帰路電流分断系』
(1) GVプレーンまたぎ (2) リターンパス不連続 (3) 基板端 (4) SGパターン有無 (5) SGパターンヴィア間隔 |
『電源系』 (1) プレーン外周 (2) デカップリングキャパシタ (3) LSIグランド分離 (4) デジアナ干渉 |
『配線系』 (1) 配線長 (2) ヴィア数 (3) 放射電界 (4) フィルタ (5) 差動信号 (6) クロストーク |
ここでは幾つかの例を取り上げ、ルールの妥当性について説明致します。
これら標準のルールチェックの他「2層基板EMIチェック」*1「スイッチング電源チェック」*2もございます。
詳細はお問合せください。
*1,2; DEMTASNXにオプション、DEMITASNX EMC Expertに標準
このチェックでは基板端の配線がリターンパスの電流分布の乱れによりEMIを発生させる原因となることに着目し、基板端からの配線距離をチェックします。
例えば基板端より数センチ内側へ配線を移動することによりEMI放射は数十dB減少することが分かっています。DEMITASNXではこのような事象に対し実験結果に基づくガイドラインを提供します。
このチェックでは信号のリターンパス経路が正しく確保されているかどうかをチェックします。
高速信号では信号を保障するリターン電流が信号経路の近傍を通過しようとすることは一般的に良く知られている現象です。
下記例では1層のリターン経路は近傍のGNDプレーンであり、4層配線のリターン経路は電源プレーンになっています。
リターン電流は電源プレーンを通り信号供給デバイス側に戻ろうとしますが、途中でリターン経路がGNDに移ってしまうため、リターン電流は分散し、ノイズの原因となってしまいます。
信号線のリターンパスは近隣のプレーンを使用します。左側(対策前)の信号線のリターンパス電流は信号出力を左側とするとVCCプレーンを通りGNDプレーンに流れようとします。
VCCプレーンとGNDプレーン間には電流経路のパスがありませんから、ここで電流の拡散が起こりEMIノイズの原因となります。
右側の例では配線層をGNDプレーン隣接層にすることによって、これらの問題を回避しています。
実際の測定結果と同様の波形を得ることは非常に困難ですが、上記が示すとおり形状とピーク値は近似した値になっていると言って良いでしょう。
これであればEMIの危険なネットを見つけ出すためには十分な精度です。