製品
Ansys Rocky
粉体挙動解析ソフトウェア
製品概要
Ansys Rockyは離散要素法(Discrete Element Method,DEM)をベースとし、 球形粒子を「多面体」としてモデル化、その挙動の予測を実現した初の商用版粉体解析ソフトウェアです。
粉体(錠剤、鉱石、土、食品等)は形状に応じて複雑な挙動を示すことから、撹拌時の混合の不均一、輸送工程や充填過程で発生する粉つまりや偏析などのトラブルが発生しやすく、回避も難しいのが実情です。 こうしたトラブルの解決策として挙げられる「製造条件の変更」や「製造設備の改善」には、シミュレーションによる粒子挙動の予測が効果的です。特に高額で代替えが難しい粉体製造設備は試作や試験が限定的になりがちな背景も相まって、粉体のシミュレーションニーズは高まっています。
Ansys Rockyでは非球形の粒子形状を用いることで複雑な現象を忠実に再現することができるため、粉体・固体の複雑な挙動をより正確に解析することが可能です。 利用可能な分野は製薬や食品、化学、鉱業、機械など多岐に渡り、試験コストや検証工数の大幅な削減を実現させ、粉体加工プロセスの生産性向上に貢献します。
特徴
Ansys Rocky GUI
操作しやすいGUI
使いやすいメニュー配置で、計算に必要な条件設定を簡単に行うことが可能です。プリ(計算設定)とポスト(結果処理)をシームレスに切り替え可能なため、結果確認後のパラメータ調整も時間をかけずに行えます。
スナック菓子の調味
多彩な非球形粒子表現
Ansys Rockyは非球形粒子を多面体として扱うことができ、形状依存性の高い粒子挙動を高い精度で再現します。
この粒子形状はユーザーが3次元CADデータ形状を用意することで、その形状をそのまま粒子として利用可能です。
粒子タイプもVolumeタイプやShellタイプ、Fiberタイプなど様々なものが用意されております。
Fluentと連携したパイプの浸食シミュレーション
Ansysとの連成解析
Ansys RockyはAnsys Mechanicalと片方向連成解析、Ansys Fluentと片方向/双方向連成解析を行うことができ、この機能を用いることで粉体と構造、粉体と流体といったそれぞれの現象が関係しあうマルチフィジックス解析を行うことが可能です。またWorkbench上で動作するため、パラメータスタディにも対応しています。
ボルト研磨のシミュレーション:複数の異なる形状を一度の計算で実施すると膨大な時間を要しますが、GPUの並列計算を利用することで高速な解析が可能となります。
GPUを用いた高速計算
グラフィックボードを利用した共有メモリ型並列計算に対応しており、より多くの粒子を短時間で計算することが可能です。また複数枚のグラフィックボードを並列計算させることにより、より大規模な粒子計算を行うことも可能となります。
機能
粒子設定 | 非球形形状 | ・多面体粒子 ・Shell粒子 ・Fiber粒子 ・カスタム粒子(CADデータ読み込み) |
粒度分布 | テーブル入力 | |
ジオメトリ設定 | Import可能ファイル | ・STLファイル(.stl) ・DXFファイル(.dxf) ・Fluent Casファイル(.cas) ・Fluent Meshファイル(.msh) |
移動設定 | ・線形並進/周期並進 ・線形回転/周期回転 ・荷重(自由運動、荷重付与) |
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モデル | 接触モデル | ・法線方向力 ・接線方向力 ・回転抵抗 ・弾塑性 ・付着力 ・熱伝導 |
粗視化モデル | 対応 | |
ユーザーカスタマイズ | 対応 | |
Ansysとの連成 | FEM | 片方向連成解析 (Rocky -> ANSYS) |
CFD | 片方向連成解析 (ANSYS-> Rocky) 双方向連成解析(ANSYS <-> Rocky) |
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その他 | GPU | 対応 |
動画でわかる解析事例
Ansys Rockyによる粉体解析事例の一部を動画で紹介します。