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材料情報から知性を生み出すAnsys Grantaのご紹介
CAEのあるものづくり |公開日:2020年05月
目次
- はじめに
- CAEで必要な材料情報
- Ansys Workbenchから利用可能な「Materials Data for Simulation」
- 適材適所の材料選定
- 材料選定のために提供される唯一無二の製品、Granta Selector
- Performance Indexを用いた材料選定のケーススタディ
- 選定した材料はすぐにCAEで確認
- 自社保有の材料情報の共有
- 企業独自の材料情報を管理する Ansys Granta MI Enterprise
- 今すぐ始められる自社材料情報管理 Ansys Granta MI Pro
- 最後に
はじめに
「CAEのあるものづくり」という本稿のタイトルから、読者の皆様は何らかの形でCAEに携わっていることと思います。構造、熱、流体、電磁場や、これらを組み合わせた物理現象に対し、課題解決、現象把握のためにCAEを利用するわけですが、このCAEで必ず利用される情報が3つあります。一つが形状、一つが境界条件、もう一つが材料情報です。
すべてのものは「材料」から作られており、CAEにおいても材料情報は結果に大きく影響を及ぼす非常に重要な情報です。
1994年にイギリスで創設されたGranta Design社は材料情報のデジタルトランスフォーメーション推進をミッションとして活動してきた企業で、数多くの材料情報を集約し、また、それらを有効活用して「知性」とするための仕組みを提供してきました。Ansysの一員となった昨年からは、CAEでも信頼ある材料情報を簡単に活用するために、製品開発を進めています。
ところで、この材料情報は、製品開発においてどのように利用されるのでしょうか。図1に一般的な製品開発プロセスであるV字プロセスと各ステージで必要な材料情報を示しています。
CAEで必要な材料情報
CAEが最も多く利用されている基本設計から詳細設計段階では、適用される材料は概ね決定しているものの、CAEに必要な材料特性は入手できていないことが多くあります。初めて利用する材料、あるいは既存材料でも過去経験のない解析を実施する場合は、材料メーカーに情報の提供を依頼したり、サンプルを入手して試験したりするなど、多大な時間と労力を必要とします。CAEの結果から適切な材料ではないと判断した場合、かけた時間と労力が水泡に帰すことになってしまいます。この時点での材料情報として適していることは、「時間をかけずに信頼ある一般的な材料情報」であることです。
Ansys Workbenchから利用可能な「Materials Data for Simulation」
Ansys 2019R2 からAnsys Mechanical、Ansys2019R3からはAnsys Electronics Desktopにも搭載された「Materials Data for Simulation」は、Granta社が提供する信頼ある材料データから、シミュレーションで利用可能な情報を抽出し、Ansys Workbench内で利用可能とした製品です。図2のように、CAE実施時点で材料特性が入手可能であるため、設定材料の妥当性、材料変更の必要性などを即座に判断することができます。また、同じ対象物に対し、構造解析、熱解析、電磁場解析など、複数の解析をする場合でも、同じ材料情報を選択して利用するため、データの相違、入力ミスを防止することができ、正しく判断ができるCAEの結果となります。