#12 公差の寄与率
「公差の寄与率」計算用の Excel を無料ダウンロード可能
公差の寄与率とは
「寄与率」とは、公差の累積のループを考える際に、それぞれの公差がどの程度影響しているかを確認するための指標です。
基本的には、”ワーストケースで計算する方法”と、”二乗和平方根で計算する方法”の2つが提案されています。

数式を見ると難しそうに感じるかもしれませんが、実際にはExcelを使うと簡単に計算できます。
下記のリンクより Excel の入力シートと解答例をダウンロード可能です。「入力」シートを開いて計算してみてください。
下記のリンクより Excel の入力シートと解答例をダウンロード可能です。「入力」シートを開いて計算してみてください。
Excel で公差の寄与率を計算してみよう
ワーストケースで計算する方法

仮に、寸法が10±0.1、10±0.2、10±0.3の板を積み重ねた状態を考えます。まずワーストケースの累積公差を求めます。これは単純に足し算を行えば求めることができ、SUM関数を使用すると0.6が得られます。
次に、寄与率を求めます。寄与率は許容差を累積公差で割ることで計算できます。具体的には、(0.1 / 0.6) × 100 で 16.7% となります。この計算を他の寸法にも適用すると、それぞれの寄与率が求められます。
計算結果から、3番目の寸法が最も影響していることがわかります。
二乗和平方根で計算する方法
まず、各寸法の許容差を二乗し、それらを合計します。この合計値の平方根を取ることで、寄与率を求める基準値を得ることができます。
寄与率の計算は、(各許容差 / 合計値) × 100 で求められます。
二乗和平方根で計算する方法では、ワーストケースでの計算と異なり、寄与率の大きいものはより大きく、小さいものはより小さくなる傾向があります。そのため、二乗和平方根かワーストケースか、どちらの方法で計算しているかを確認することが非常に重要です。
寄与率の計算は、(各許容差 / 合計値) × 100 で求められます。
二乗和平方根で計算する方法では、ワーストケースでの計算と異なり、寄与率の大きいものはより大きく、小さいものはより小さくなる傾向があります。そのため、二乗和平方根かワーストケースか、どちらの方法で計算しているかを確認することが非常に重要です。
公差解析ソフトを使用する場合 - ワーストケース? 二乗和平方根?

ワーストケース

二乗和平方根
公差解析ソフトを使用する場合、ワーストケースで計算しているのか、二乗和平方根で計算しているのかを確認しなければなりません。
同じ解析を行っても異なる数値が出る可能性があるため、どちらの方法が適用されているのかを把握しておくことが大切です。
同じ解析を行っても異なる数値が出る可能性があるため、どちらの方法が適用されているのかを把握しておくことが大切です。
「公差の寄与率」を動画で解説!
より詳細な内容は、YouTube チャンネル「みんなの公差」で解説しています。ぜひご視聴ください。

#12 公差の寄与率
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