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#04 ばらつき

必ずしも標準偏差だけではない「ばらつき」とは?

ばらつきとは

ばらつき ≒ 標準偏差

製品は完全に同じコピーができるわけではなく、ある程度「ばらつき」を許してあげなければいけません。
「ばらつき」は、イコール標準偏差と思われがちですが、必ずしもそれだけではありません。


実際に部品を作ったところ、図の3つの分布のうち一番左のものが得られました。
この図の場合、標準偏差は0.1です。それを6倍した横幅の中に99.7%が収まっています。
これを「正規分布」と呼びます。
標準偏差を6倍したものを「ばらつき」と呼びますが、それだけではないと考えています。
例えば、この分布図のとがり具合であったり、左右は同じで右側に歪んでいたり、とんがりが中央ではなくズレているなど、そういったもの全てが「ばらつき」になると思います。

「ばらつき」を分類

1. 加工のばらつき : サイズ差、幾何偏差

公差解析で一番よく出てくるのが、「加工のばらつき」です。
たとえば,設計した穴のサイズに対して,実際はほんの少しだけズレてしまうのが「サイズ差」、
垂直に設計した穴が,実際は斜めになったりしてしまうのが「幾何偏差」です。

2. 測定のばらつき : データムの浮動

これは少し説明が難しい「データムの浮動 」 です。
部品をはめるときに、「カタッ」と動かして入るなら大丈夫であると、設計工学会の動画の中で説明しています。
そうすると、部品は不良をなるべく出さずに合格品を増やすことができ、機能を失わない良さがあります。
ですが、「測定のばらつき」に影響し得るという面もあります。
"「測定のばらつき」には「データムの浮動」があり、公差解析の中に含める"
これは幾何公差で考えておくべき大切なところだと思います。

3. 組立てのばらつき : がた

「組立てのばらつき」で一番大きいのは「がた」です。
すきまばめをして、どうしても部品同士が動いてしまう時、どのようにそれを見積もるかを、もう少し後に説明していきます。

みんなの公差にて「ばらつき」について動画で解説!

より詳細な内容は、YouTube チャンネル「みんなの公差」で解説しています。ぜひご視聴ください。

#04 ばらつき

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