EnSight Version 9.1のリリース情報を説明しています。
本バージョンでは、右クリック機能の拡張による操作性の向上、ボリュームレンダリングの追加、リーダー機能の強化などが行われています。
2010年8月
9.1ではEnSight起動時にWelcomeダイヤログが表示されるようになりました。
このダイアログを利用して以前に使ったデータの呼び出しや、保存しておいたセッション(新機能)の再生を簡単に行うことができます。ファイルブラウザを利用せずに可視化結果をご覧いただけるため、デモンストレーションなどの際に便利です。
ボリュームレンダリングがサポートされました。全体のデータの分布を把握するのが容易になります。
一般的にボリューム・レンダリングは、構造格子のみに適用可能なソフトウェアが多いですが、EnSightは非構造格子にも対応しています。
また、通常のサーフェス表示と重ねて表示できることもできます。
(データ提供:Pointwise)
※ボリュームレンダリングを行うには、高性能なグラフィックスボードが必要です。
目安としてはDirectX 10.0以降をサポートしているボードで行うことができます。
9.1では、カラーマップ、パレットの編集ダイアログが改良されました。
Palletteボタンを押すと、以下のダイアログが開きます。
パレットにアルファチャネルが追加され、一定値による半透明の他、データ成分の大きさに応じて透明度を変化させることもできます。
パートの選択機能が改良されました。マウスをオーバーレイさせると色や枠線が変わります。
3つの状態をそれぞれ以下の色(デフォルト)で表現しています。
注:この機能はグラフィックスボードの機能を使っています。
グラフィックスボードのOpenGLがこのオーバーレイの機能に対応していない場合には、9.0と同様にドット表示になります。
また、グラフィックスボードによっては、まったく選択の様子が表示されない場合もあります。
注釈機能が3次元空間内に配置できるように改良されました。また、影付き文字などもサポートされました。
引き出し線などを作成できるライン注釈の終始点を3D空間の座標値で設定することができるようになりました。
また、Labelプルダウンを使って、別途作成されている注釈テキストをラインに割り付けることができるようになりました。
テキスト注釈のパラメーターに、Shadow offsetとShadow intensityパラメーターが追加されています。影付き文字を作ることができます。
3D矢印注釈のラベルに、存在するテキスト注釈を紐付けることができるようになりました。
3D矢印注釈のラベルとして、テキスト注釈で作成できる各種テキストを配置できます。
テキスト注釈の文字列にiqvalが追加されました。
テキスト注釈の文字列として value = <\\iqval "%f" 0\\> のように記述すると、クエリ機能で取得した値をテキスト注釈として利用できます。
引数 0 は、クエリのID番号です。
クエリ機能で取得した値の表示を小数表記かE表記かを切り替えるパラメーターが追加されました。
クエリ機能で表示されたマーカーやラベルのサイズが、マウス右メニューから変更できるようになりました。
クエリ機能のフォントサイズ同様、右ボタンで操作できるメニューにサイズのアジャスト機能が追加されています。
9.1ではパートや注釈などを選択すると、以下のようなハンドルが表示されるように変更されました。
上下矢印のアイコンは移動を示しています。斜めのアイコンは拡大縮小です。
また、ダブルクリック(2回クリック)した際の上下アイコンもあります。
アイコンの上にマウスを乗せると指マークに変わります。そこで、マウス左ボタンを押したまま移動します。
クリップ機能にスプラインが追加されています。
スプラインに沿って、クリップすることができます。
変形表示を行うDisplacementsアイコンで開くパネルに、サーバー側で計算させるかどうかのチェックが追加されました。
特に計算機を使った計算を行う場合(例えば、面積や体積の計算など)、サーバー側で
変形させることで、その変形に応じた計算が可能となります。
一部、メニューの構成が変更されています。
これまで、各種保存メニューはFileメニューのSaveにありましたが、9.1では、SaveメニューとExportメニューに整理されています。
以下のリーダーの追加と改良が行われています。
その他、以下の改良が行われています。
以下の改良が行われています。