米国Pennsylvania州立大学のApplied Research Laboratoryでは、ウォーター・ジェットの設計のために、様々な条件での水と気泡の流れをシミュレーションするソルバーを開発しています。このソルバーの主目的は、キャビテーションと呼ばれる現象がいつどこで発生するかを特定することです。ジェット乱流は圧力の高い領域と低い領域を生成しますが、微小な気泡が低圧の領域に入ると急速に膨張して、大きな気泡、すなわち、キャビティを形成します。このように低圧の環境で気泡が急速に膨張することがキャビテーションです。逆に、低圧の領域を出るときにはつぶれます。キャビテーションは、ジェットの推進力の低下、機器表面の損傷、騒音という点で問題になります。
このシミュレーション結果を専門の技術者以外にも理解してもらうために、EnSightを用いてアニメーションが作成されています。計算結果は数百ギガバイトのサイズですが、EnSightのクライアント/サーバー機能を使って、すべてのデータをスーパーコンピューターに残したまま、負荷の高い処理はスーパーコンピューターで行い、表示のみを手元のデスクトップ・コンピューターで行うことができます。また、ソルバーからは水の流れのデータと気泡のデータが別々に出力されますが、EnSightではそれらを簡単に一つのアニメーションにすることができます。
流体解析
Brian Edge, Applied Research Laboratory of The Pennsylvania State University