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公差解析入門

公差解析手法

公差解析の手法は、どの様なものがありますか?

公差解析の手法は、大きく分けて次の2種類があります。(T:公差値)

1、統計計算(RSS:二乗和平方根)

分散の加法性を利用して、統計的にばらつきの幅を予測する計算方式。

2、最悪値の積み上げ計算(WC:ワーストケース)

公差幅をばらつきの上下限値として、ばらつきの最悪値を算出する計算方式。

使用上の注意点

1、統計計算(二乗和平方根)での公差解析における注意点

  • ばらつきが正規分布で、公差域の中心に分布の平均値が来ることが前提。
  • 計算に含める公差値の工程能力指数を合わせる。
    計算に含める公差値の工程能力指数を揃える。(例:すべてCp=1(3σ)とする)
    →求めた値の公差値も同じ工程能力指数値で算出される。(TRSSもCp=1(3σ)での値)
  • 片側公差や上下限公差は±公差へ変換する。
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  • 計算に含める寸法値の方向(ベクトル)は、求める値の方向と一致させる。

2、最悪値(ワーストケース)での公差解析における注意点

  • 評価寸法が最悪(最大/最小)になる場合を考えて計算する。
    個々の寸法ばらつき(公差上限値、又は下限値)の組み合わせで、最悪になる場合を考える。
  • 片側公差や上下限公差は±公差へ変換する。
    ※必須ではないが、変換した方が計算しやすい。
  • 統計計算と同様、計算に含める寸法値の方向(ベクトル)は一致させる。
どちらの手法で計算するかに関しては、計算方法の特性を理解し、製品構成や使用環境など、状況に応じて判断する必要があります。
例えばばらつきによる製品の不良が生命の危険に関連するような場合は、コストよりも品質維持が最優先されるため、ワーストケースで評価する事が考えられます。
これに対し生産数が非常に多く、厳密な品質管理を行うと生産コストが製品の価格に合わなくなるような場合は、ある程度の不良品の発生を考慮した統計的計算で評価する事が考えられます。
この様に何を優先させるかによって、どちらの手法で評価すべきかを判断します。

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