CAE実験室-構造力学編
担当
(2015年から担当)
受講者へのコメント
企業においてCAEを利用する場合、どのようにして関連部門から信頼を得るかというのは大事な課題です。解析結果を信頼してもらうための最も簡単な方法は「実験と比較して精度を定量的に示す」ということになりますが、実験代替としてCAEを使おうとしている場面では、本末転倒な議論になりかねません。また、業務においては、「半年後の95点」よりも「明日の60点」が重視される場合も多く、これらの期待に応えることが技術者に要求されます。
人間関係においても必ずしも学力的偏差値の高い人が信頼できる人とは限らないように、 CAEもどんなに定量的精度が優れた解析であっても、そこから設計改善への示唆や問題解決への糸口が得られなければ、解析業務への期待や信頼は失われてしまいます。CAEの最大のメリットはその定量性であることは間違いありませんが、それを使う技術者が結果を解釈し、そこに意味づけを行うことで、はじめて価値のある解析結果となることは間違いないでしょう。
この意味づけのために必要な「言葉」が材料力学のような基礎理論だと思っています。完成度の高いCAEが市販される現代においては、計算のための学習ではなく、問題解決のための基礎理論の習得に時間を割くことができます。このような視点で何か一つでもCAEソフトウェアの存在を前提とした理論の学び方を示すことができればと思っています。
1991年 | 山梨大学工学部精密工学科 卒業 |
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1993年 | 山梨大学大学院工学研究科 修了 |
1993年 | 三菱マテリアル株式会社 入社 |
2007年 | 博士(工学)(東京農工大学) |
2013年 | 日本工業大学 機械工学科 准教授 |
2020年 | 同上 教授 |