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DEMITASNX

電気回路プリント基板設計者向け EMI対策ツール

DEMITASNX概要

DEMITASNX はNECが開発した「EMI抑制設計支援ツール」です。PCBにおけるノイズ発生の要因を理論と研究のノウハウを織り交ぜ15種類のルールチェックと共振解析により初心者でも使いやすく構成されています。EMIルールチェックではルールエラー内容とアドバイスが表示されます。

チェック項目(実験的、理論的に実証された効果の高い15種類)

リターンパス系チェック

  • GVプレーンまたぎ
  • リターンパス不連続
  • 基板端
  • SGパターン有無
  • SGパターンヴィア間隔

電源系チェック

  • プレーン外周
  • デカップリングキャパシタ
  • LSIグランド分離
  • デジアナ干渉

配線系チェック

  • 配線長
  • ヴィア数
  • 放射電界
  • フィルタ
  • 差動信号
  • 配線結合性(クロストーク)

DEMITASNXのルールチェックは上記高速多層基板をターゲットとしたもの(標準)の他「2層基板(両片面)用」「スイッチング電源用」「ESD用」がオプションとして設定されており、多様な基板に対応可能です。


こんな方におすすめします!

  • EMCノイズの原因となる場所を特定したい。
  • 電磁界シミュレーションを実施するのが難しい。

EMIルールチェッカーと電磁界シミュレータの活用によるEMC対策(推奨)

ここではEMIルールチェッカーと電磁界シミュレータの活用によるEMC対策例をご紹介します。基本的なルール対策はチェッカーで克服することもできますが、具体的なノイズ量を把握/確認することはできません。また、シミュレータではPCB全体から問題を発見するのは困難という課題があります。そこでルールチェッカーとシミュレーションを組み合わせお互いの長所を活用することにより「短時間で効果的な対策検討」という効果を生み出すことが可能となります。

サンプルデータによるEMIチェックとAnsys SIwaveによる電磁界解析

以下のサンプルデータを使用してEMIチェックの効果をシミュレータにより検証します。

上記サンプル基板のEMIチェックを実施しEMIチェックでエラーとなった中から代表ネット1本を選択してシミュレーションを実行します。


EMIチェック結果

サマリウインドウを見ると各ネットに対して多くのエラーが確認できます。代用例として「GVまたぎ」エラーを確認してみます。ネットD1の配線が3層-VIA-6層の経路となっており電流リターン経路がGNDからVCCへ切り替わるという内容です。アドバイスにもとづき6層の配線を3層で配線してみます。


Ansys SIwaveシミュレーション結果

Sパラメータ特性

部品U8およびU8-U2間のSパラメータを比較しました。改変前(オリジナル)データとパターン変更前後のSパラメータ評価では線路特性として、ほぼ同様の特性が得られています。

Sパラメータ

近傍電磁界

近傍電磁界のコンター図を比較すると改変前(オリジナル)データに比べ、改変後の特性が明らかに良くなっていることが分かります。特にビアによる層の切り替えし部分の変化が確認できます(図の矢印部分)。電界レベルのグラフでも特性の差が確認できます。

近傍電界グラフ

遠方電磁界

遠方電磁界のグラフを確認してみます。改変前(オリジナル)データに比べ、改変後の特性が明らかに良くなっていることが分かります。全体を見るとあまり変化がないように感じられますが以下の矢印のポイントで10~17dbuVの減衰が確認できます。

遠方電磁界

EMIルールチェッカーと電磁界シミュレータを併用した場合の効果(まとめ)

このようにEMIルールチェッカーと電磁界シミュレータを併用すればチェックの妥当性と特性を確認できます。以上をまとめますと以下の特長と効果が期待できるものとなります。

  • シミュレータで難しいPCB全体のEMIチェックをするにはEMIルールチェッカーが有効
  • ルールチェックをした箇所をシミュレーションで検証することでチェック結果の妥当性の確認とルールチェックの精度の向上につなげることができる。
  • EMIチェックに当てはまらない箇所の特性をシミュレーションすることにより更なる品質向上が可能。
  • 上記を繰り返すことで自然にEMIの設計知識やシミュレータの使い方を学ぶことができる。

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