製品
COLMINA CAE 磁界シミュレータ
マイクロマグネティックシミュレータ
[マイクロマグネティック シミュレータ]
COLMINA CAE 磁界シミュレータ
富士通株式会社が開発したCOLMINA CAE 磁界シミュレータ(旧名称:EXAMAG)は、磁性体内の微細な磁区や磁壁の変化を扱うマイクロマグネティックシミュレータです。
TMRセンサやMRAMなどの磁気デバイス、新規磁性材料の開発、スピントルク効果を用いた新たな磁気デバイスの設計が可能な3つの解析モジュール HDD、LLG、HYSで構成されており、磁性材料の磁化過程の速さや安定性といった磁性体の挙動をシミュレーションすることが可能です。
【磁界解析の適用分野】
マイクロレベルの磁性体の特性から製品に組み込んだ磁性体の特性まで幅広い磁界現象を解析
COLMINA CAE 磁界シミュレータはAnsys Maxwellでは取り扱えない磁性体内のナノからマイクロメートルオーダの微細構造(磁化がそろっている微小な領域(磁区)やその境界である磁壁)の変化を解析し、磁気デバイスの性能を事前に予測することで開発効率を上げることが可能なシミュレーションです。
COLMINA CAE 磁界シミュレータとAnsys Maxwellを使うことでマイクロレベルの磁性体の特性から製品に組み込んだ磁性体の特性まで幅広い磁界現象の解析を行うことができます。
こんな方におすすめします!
- 磁区や磁壁の変化を考慮したシミュレーションを実施されたい方
- 永久磁石の微細構造が性能に与える影響を評価したい方
- MRAMや磁気センサなどを設計されている方
適用分野・アプリケーション
HDDモジュール
- TMRセンサ
- 磁気スキルミオン
- スピントルク発振器
- 磁壁移動
- MRAM
LLGモジュール
- 磁石の磁化反転挙動
- 磁石の熱消磁による磁区形成
HYSモジュール
- インダクタの損失計算
- 誘導加熱による温度分布計算
特長
MRAMや磁気センサなどを解析できる唯一の国産商用シミュレータ
LLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式に基づくマイクロマグネティックスの手法と有限要素法による磁場解析の手法を組み合わせて、ミクロからマクロの幅広いスケールにおける複雑形状の解析対象の磁界解析を実現する磁界シミュレータです。
大規模な並列計算機能
磁性材料の微細構造の解析を行うため、MPI並列計算が実装されています。高速計算が可能なだけでなく、複数のPCサーバのメモリを有効活用できるため、1000万格子を超える大規模計算も可能です。
有限要素法をベースとしたマイクロマグネティックス
有限要素法を採用することにより、直交格子では表現が困難な磁性材料の微細構造や、複雑形状を有する磁気デバイスの最適設計に向けた解析が可能です。
スピントルク効果の実装
磁性体に伝導電子を注入するスピン注入型のスピントルクと、電流そのものでスピントルクを発生させる電流駆動型のスピントルクに対応し、MRAMのようなメモリ素子への適用のほか、磁区を記録ビットとする新規構造の磁壁移動型メモリ素子への適用も可能となります。また、スピントルク効果による高周波発振器を組み込んだMAMRの解析も行えます。
解析事例
TMRセンサ
素子内部に磁気渦構造をもつTMRセンサを解析します。センサに対して外部磁界を印加し、各外部磁界毎の磁化状態を計算することでセンサのヒステリシス曲線を解析することが可能です。
磁気スキルミオン解析
界面効果により現れる磁気スキルミオンを解析します。強磁性層と非磁性重金属を積層した場合に界面に働くDzyaloshinskii-Moriya 相互作用(DMI)を考慮し、材料毎に変わる磁気スキルミオンの大きさの解析などが可能です。
MRAMのスピン注入磁化反転
スピン注入による、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の磁化反転を解析します。電流パルスを加えた際に生じるスピントランファートルクを計算することで、有限温度環境において反転にかかる時間の分布を解析することが可能です。
磁壁移動
磁性細線に電流を流した際の磁壁移動現象を解析します。磁性細線中に流れる電流の他に、Dzyaloshinsky-Moriya相互作用やスピン軌道相互作用によるトルクなど、下地層との界面効果も考慮できます。
レアアース磁石の磁化反転解析
Nd-Fe-B焼結磁石の、減磁過程における磁区形成などの磁化変化を解析します。エネルギー最小化の計算手法として非線形共役勾配法(NCG)を用いることにより、Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)方程式で磁化の動的過程の計算を行うよりもはるかに高速な計算が可能です。
レアアース磁石の熱消磁による磁区形成
Nd-Fe-B薄膜磁石の熱消磁状態を計算し、磁区形成の様子を解析します。磁化の初期状態を上下ランダムに設定し、エネルギー最小化法を用いることで、収束状態として複雑な多磁区構造を再現することが可能です。
動作環境
OS | Windows10(64bit)、Windows 11(64bit)、Windows Server 2019、Cent OS 6以降(64bit) ※その他のOSについては、お問い合わせください |
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CPU | 1GHz以上(Core i 以上) |
メモリ容量 | 4GB以上(推奨:8GB以上) |
ディスク容量 | 約1GB以上(OS、データ領域除く) |
グラフィックス | DirectX対応グラフィックボード |