製品
Ansys Additive Print/Additive Suite
金属3Dプリンター専用シミュレーション
製品概要
これまで鋳造や切削では造形が難しかった、インフィル構造など複雑な形状の造形を実現した、金属Additive Maufacturing(AM=3Dプリント)。日本でも、航空機業界、自動車業界、医療業界を中心に導入が進んでいます。
しかしその一方で、造形時間の長さ、高価な材料コスト、大量生産に向かないといったいくつかの課題も抱えています。 そこで注目されているのが、金属AMのプロセスでコストダウンと納期短縮を実現するためのシミュレーションによる事前検証です。
Ansys Additive Print/Additive Suiteは、業界での長い経験を持ち、現場のニーズをよく理解している金属AMのエキスパート集団によって開発されました。シミュレーションの過程を経ることで、金属AMプロセスにおける従来のトライ&エラーを大きく削減し、コストダウンと納期短縮に貢献。最初の1回で、最適な形状の金属パーツを造形することすら可能です。 設計者オペレータ向けのAnsys Additive Printと、エンジニア/研究者向けのAnsys Additive Suiteの2種類の製品を提供いたします。
特長
- 積層ごとの応力や変形、サポート材除去後の変形、熱処理による熱歪み形状の予測、プレート上の造形物の残留応力などをシミュレーションします。
- 装置のメーカーごとに異なるスキャンパターンを読み込み、熱挙動を把握して、ひずみ、欠陥の分布などの予測が可能になります。
- トポロジー最適化、パーツ検証、構築セットアップ、支持材生成、構築失敗の防止、金属AMのプロセスチェーン全体を検討することが可能です。
機能のご紹介
- 固有ひずみによるひずみ予測機能
- 造形後の残留応力解析
- サポート材取り外し後の変形解析
- 各層の応力計算
- 変形補正STLファイル出力機能
- サポート材形状最適化機能
- ブレード破損予測機能
- 高歪み領域算出機能
- Workbenchによる伝熱―構造連成プロセスシミュレーション
- メルトプールの形状予測
- 空隙率の予測
- 熱処理工程の考慮
製品構成
エントリーモジュール(一般設計者向け)
Additive Print | ジオメトリ&STLファイル編集 固有歪みによる歪み予測/歪み自動補正/造形後の残留応力/サポート材取り外し後の変形/各層の応力解析/ブレード破損の検出/サポート材料最適化 |
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ハイエンドモジュール(一般設計〜解析専任者向け)
Additive Suite※1 | 以下の機能を包含します。 Additive Print Additive Science Workbench Additive |
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-Additive Science | シングルビードによるメルトプールの形状予測/空隙率の予測/熱履歴解析(β機能) |
-Workbench Additive | 伝熱構造連成解析による歪み予測/歪み自動補正/造形後の残留応力/サポート材取り外し後の変形/各層の応力解析/熱処理工程の考慮 |
※1Ansys Mechanical Enterpriseのアドオン製品です。
解析例
金属フィルターの形状最適化
パーツにひずみが生じる特定の箇所にAnsys Additive Printを使用した例です。実際のプリント時には、上部付近でフィルターが隆起しています。この隆起はAnsys Additive Printのシミュレーションで予測されました。歪み補正済みのSTLファイルが自動生成され、金属3Dプリンターにフィードバックして再度プリントすることで、正しい形状になりました。
シングルビードによるメルトプールの形状予測
レーザーがパウダー上を直線状にスキャンした際のメルトプールの特性を評価します。
- インプット: ベースプレート温度(℃)、レイヤー厚(μm)
- パラメータ: レーザー出力(W)、スキャンスピード(mm/s)
300のパラメータを定義可能です。 - アウトプット:メルトプールの寸法<幅、長さ、深さ>
アウトプットはcsv形式でのみ出力されるため、エクセル等を用いて結果を評価することが可能です。
空隙率の予測
立方体(直方体)形状を造形した際の溶融不足による空隙率を評価します。
- インプット: ベースプレート温度(℃)、開始レイヤー角(°)、レイヤー回転角(°)
- パラメータ:レーザー出力(W)、スキャンスピード(mm/s)、レイヤー厚(μm)
ハッチスペース(mm)、ストライプ幅(mm)
300のパラメータを定義可能です。 - アウトプット:溶融不足による空隙率
アウトプットはcsv形式でのみ出力されるため、エクセル等を用いて結果を評価することが可能です。
3Dプリントを考慮したトポロジー最適化
AM張り出し拘束の機能を用いて、3Dプリンタが苦手なオーバーハング形状を作らない最適化をおこないます。サポート材が無くても自己支持するような構造を作成します。定義するパラメータは、積層方向とオーバーハング角です。
ラティス構造最適化
Mechanicalでラティス構造(微細格子構造)の最適化計算をおこない、ラティス密度分布の結果を出力します。その結果をもとに、Ansys SpaceClaim Direct Modelerでラティス構造の形状を作成します。
3パターンの結果を出してみました。