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解析事例

熱流体解析

データセンターの設計段階における空調性能評価

ホットスポット発生のリスクをシミュレーションで可視化

解析概要

本解析では、Ansys Icepakを活用してデータセンターの空調設備や床下、天井への排気口までモデル化することで空気の流れを再現し、空気の滞留や温度分布を評価します。

使用ソフトウェア

Ansys Icepak

こんな方におすすめ

  • データセンターの設計・設備に携わる方
  • 空調性能を見える化し、冷却性能を評価したい方
  • 空調性能・配置などの妥当性を評価したい方

背景/課題

生成AIやビッグデータ、クラウドサービスの普及に伴い、データセンターの需要が急速に拡大しています。データセンターでは社会インフラとして24時間365日の安定稼働が必須となるため、サーバーを十分に冷却する必要がありますが、AI処理に使用されるGPUサーバーではさらに発熱量が増加するため、高い冷却能力をもつ冷却システムが必要となります。
しかし、実機検証において温度センサーだけでは空間全体を把握できないことや問題が発生した後でなければ原因特定が出来ないこと、従来設計のままでは冷却不足になるリスクが高くなります。
そこで、Ansys Icepakを活用して空間全体の流れや温度を可視化することで、設計段階から空調性能の評価やサーバー配置における妥当性を評価することが可能です。

解析対象および解析手法

解析対象

本解析では解析空間をデータセンターの大きさとして、空調とPDU(Power Distribution Unit)を2か所設置したモデルの空調評価を行います。下記のように床下、天井への排気口とラックをモデル化しています。PDUとHD ラック、ラック内で発熱が生じている状況に対して空調評価を行います。空調システムは12℃で設定しています。

図1 解析モデル

解析結果

図2にそれぞれのラックの温度を示します。HDラックの吸気温度が最大30℃程度に対して、ラックの吸気温度が最大20度程度であることが確認できます。ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)のガイドラインを基準にすると、18~27℃を推奨範囲としているため、温度を下げるための設計が必要となります。

図2 HDラック、ラックの温度分布

続いて、図3に流速ベクトルを示します。HDラック間(橙色の丸)排気熱の流れが天井へと逃げず、対面のHDラックへ吸気されている様子が見られます。図2からラック上部の温度が30℃程度、ラック下部は20℃未満となっていることから、HDラックとラックの配置を変更し、再度解析を行います。

図3 断面の流速ベクトル

図4にHDラックとラックを入れ替えたときの温度分布を示します。排気側は最大33℃と変更前に比べて温度上昇していますが、HDラック、ラックの吸気温度は27℃以下と推奨範囲内の温度になっていることを確認できます。

図4 配置変更後の温度分布

また、図5にHDラックとラックを入れ替えたときの流速ベクトルを示します。左側のラック間で天井に流れが生じ、排熱の流れがラック間に流入していないことが確認でき、右側のHDラック間でも変更前に比べて上部の流れが抑制されていることを確認できます。

図5 配置変更後の流速ベクトル

本解析の効果

本解析では、データセンターの空調評価として推奨範囲の温度になるHDラック、ラックの配置検討を行いました。Ansys Icepakを用いることで、実機検証が難しい空間全体の把握や問題が発生する前から温度・流れの可視化が可能となります。
これにより、空調性能を向上させるだけでなく、設計段階から配置検討を行うことで冷却不足になるリスクの評価と対策を検討することができます。

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