製品情報
Optimus 2025.1
リリース概要
AIを活用したグラフ生成機能「AIポストプロセス」が追加されました。この機能ではChatGPTに代表されるテキスト生成AIとOptimusで蓄積したデータを組み合わせることで、より深いデータマイニングを行うことができます。
さらに、「AIポストプロセス」でエクスポートしたファイルをOptimus内で表示可能にする「スナップショット」が追加されました。
また、複数の主要なプロットを1つの画面にまとめた「ダッシュボード」プロットが追加され、実験計画法や最適化で得られた多くのデータを要約した結果をグラフィカルに確認することが可能となります。
ダイレクトインタフェースには「Femtet」が新たに加わり、いくつかの既存インタフェースの機能拡張も行われました。
リリース日
2025年6月
主な新機能と特徴
AIポストプロセス : AIを活用したグラフ生成機能でデータマイニングが拡張!
AIポストプロセスは、ChatGPTに代表されるテキスト生成AIとOptimusで蓄積したデータを組み合わせて、より深いデータマイニングがおこなえる機能です。ユーザーは対話型のChatbotを用いて、プロットや表、統計情報の種類や表示形式をリクエストすることでそれらをAIが自動的に作成・表示します。ユーザーのプログラミングは不要でAIにより高速に得られた情報(プロット)を基にデータマイニングをすぐに開始できます。

図1 AIポストプロセスの仕組み
スナップショット : AIポストプロセスで作成したグラフをOptimusで活用!
AIポストプロセスでエクスポートしたファイルをスナップショットで表示が可能になりました。インポートしたプロットはAIポストプロセス内での操作と同様にインタラクティブな操作が可能で拡大/縮小などの操作も可能です。また、AIポストプロセスとは別に用意していたファイル(*.PNG、*.html)を表示することも可能です。

図2 スナップショットの画面
ダッシュボード: 素早いデータ分析と意思決定の効率化
主要プロットを一画面にまとめたダッシュボードが追加されました。実験計画法や最適化で得られた多くのデータに対して要約した結果をグラフィカルに確認することが可能となります。これにより素早いデータ分析と意思決定の効率化を目指しました。
例:下図は、3つの設計パラメータを実験計画法で100回解析した結果で、5つの性能データを収集しています。
左上の円グラフは解析結果のステータス(オレンジは性能のしきい値を超えた結果)
右上は平行座標プロットで3つの設計パラメータの組み合わせで得られる5つの性能を1本の線で表現(100本の線)
左下は3つの設計パラメータのヒストグラム、右下は5つの性能のヒストグラム

図3 ダッシュボードの画面
下図は、しきい値を超える条件を除外し、平行座標プロットで目標性能を満たすようにフィルタを掛けた結果です。フィルタリングは円グラフとヒストグラムに自動反映されるため、目標性能を実現する設計パラメータの当たり付けが容易です。

図4 絞り込みをしたダッシュボードの画面
その他の主な改良
UIの改善
計算の開始時の設定確認ウィンドウが廃止され、クリックの回数が削減しました。また、結果の確認時も、GUI上のボタンをクリックするだけで設定されているポストプロットが表示されデータの分析がすぐに開始できるようになりました。

図5 計算の開始画面の変更

図6 コンソールウィンドウの変更
新しい実験ステータス「未完了」
Optimus2024.1までの実験ステータスは「標準」「実行不可能」「失敗」「除外」がありましたが、下図のようにOptimus2025.1から新しい実験ステータスの「未完了」が導入されました。
「未完了」の導入により、真の失敗(例えば、接続エラーやライセンスエラー)と計算が途中である未完了な実験を区別することが可能になりました。

図7 実験ステータス「未完了」の追加
メソッドとメソッドタイプ変数の追加
アクションアイコン内で使用できる変数に「$METHODTYPE$」「$METHOD$」が追加されました。
これにより、メソッドの種類やメソッド名によって処理を分岐させること等が可能になりました。
ファイル管理機能の改善
Optimusでは、実験計画法や最適化を実施することで多くの解析結果を得ることになりますが、解析で使用した各種ファイルを保存することが可能です。従来は解析シーケンスの各アイコン内で保存設定を行う必要がありましたが、本バージョンではグラフオプション内で一括設定できるようになり、操作性、視認性が向上しました。各アイコンでの保存設定とリストが相互にリンクしており、ファイル管理に一貫性を持たせています。

図8 グラフオプションでのファイル管理
Optimusは、連携するCAEツール用に開発/搭載したダイレクトインタフェースを使用することで、CAE独自のファイルをスキャンし解析自動化の設定を可能にしております。従来は設定の確認や変更のためにダイレクトインタフェースのアイコンを開くとスキャンが始まり、長ければ数分の待ち時間が発生していました。本バージョンでは一度スキャンした情報をキャッシュ化して内部で管理することで、2回目以降のスキャン高速化が実現しました。

図9 ダイレクトインタフェースのファイル読み込みの改修
ダイレクトインタフェースの追加
Femtet
応力、流体、熱など、様々な領域のソルバーを備えたオールインワンのCAEソフトウェアであるFemtetのダイレクトインタフェースが搭載され、解析の自動化を定義するシーケンスの作成を容易にすることが可能となりました。
Femtetダイレクトインタフェースでは、 .femprjファイルで設定されているパラメータにスカラー値を代入し、Femtetを実行して得られた結果を抽出することが可能となります。これによりOptimusに搭載されている最適化アルゴリズムやポストプロセスを活用した設計の効率化や品質向上を支援します。
※ Femtet2024.0に対応しています。

図10 Femtetの解析シーケンス
新規搭載
- Femtet
機能改良
- nvison
- Abaqus
- SOLIDWORKS
- NX
※ダイレクトインタフェースの種類により、必要なライセンスが異なります。
その他の対応アプリケーションについては、対応アプリケーションをご覧ください。
より詳細な新機能や改良点については、ユーザー専用コーナーをご覧ください。