樹脂流動解析射出成形過程の離型時における応力解析(樹脂流動解析と構造解析の連携)

  • 射出成形過程において生じるそり収縮と変形・応力の両方を考慮した解析を行ないたい
  • 樹脂の流動履歴を考慮した構造解析との連携解析を簡単に行いたい

PlanetsXは、マルチフィジックス解析ツールANSYSの統合操作環境「ANSYS Workbench(以下Workbench)」上で射出成形解析を行なえることが最大の特長です。
これにより、ANSYSの多彩な解析分野とシームレスに連携することが可能となっており、特に構造解析との連携は多くの有益な情報を設計者にもたらしてくれます。 以下に、実際の射出成形過程において生じる「金型との接触を考慮したそり収縮」と「離型時の突き出しピンによって製品に生じる変形・応力」の両方を考慮したANSYSとの連携解析事例をご紹介します。

解析の条件

PlanetsXによる樹脂流動解析の後、ANSYSの構造解析でそり解析を実施します。
この際、そり解析のモデルには樹脂部に加え、実際の金型(固定側・移動側)と突き出しピンの形状を含んだジオメトリデータを用意します。 樹脂流動解析とそり解析でモデル(メッシュ)が異なることになりますが、Workbenchの外部荷重転送機能により、ユーザーはごくわずかな操作で異メッシュ間におけるマッピング操作「流動解析の結果→そり解析での荷重」を適切に行うことができます。
そり解析では、樹脂-金型間の接触条件を分離の有無や摩擦の大小など、想定される実条件に合わせて任意に設定します。併せて移動側の金型と突き出しピンを「いつ・どの方向に・どれ位の速さで移動させるのか」といった設定を加えます。これらは全てWorkbench上でデフォルトとして利用できる機能です。

解析モデル

金型内そり変形の後、金型(移動側)と突出しピンを移動させ、製品の離型過程をシミュレーションし、移動部の移動順序、突き出しピンの位置の妥当性などを検討します。

本事例のプロジェクト画面

解析実行

全ての設定の準備が整ったら解析を実行します。接触および大変形(移動部が存在するため)による非線形性の存在により、モデル規模によっては解析時間を要する可能性もあります。
しかし、ANSYSのロバストな構造ソルバーによって収束状態は常に適切な状況下に制御され、またANSYSの強力な並列計算モジュール(ANSYS HPC)により、解析時間の短縮を図ることも可能です。

結果の評価

計算終了後、まず金型が移動する前の、金型によって自由変形が抑制された状態のそり形状および応力・ひずみ分布を評価できます。この例では、収縮しようとする樹脂が固定側の金型によりその移動を遮られ、コーナー部で高い応力が発生していることが確認できます。
次に、型の開放と同時に突き出しピンによる突き出し方向への圧力が高まることで、ピンの周辺に応力集中が生じている様子を確認できます。この離型の瞬間の応力分布が製品品質に及ぼす影響は大きく、場合によっては永久変形や、最悪の場合には破損が生じることもあります。設計者はこれらの影響を考慮しながら、突き出しピンの最適な配置、移動速度、移動タイミングを検討することができます。
最終的に樹脂部が完全に型から解放されることで、全体的な応力も解放されていることが分かります。

まとめ

本事例で得られた「接触を考慮したそり変形」と「突き出しピンによる応力分布」という内容は、現実の射出成形過程で必ず生じている現象ではあるものの、その分析には樹脂流動解析と構造解析の高度な組み合わせが必要であり、難易度の高い解析といえます。
しかしPlanetsXであればWorkbenchの優れた操作性およびANSYSとの連携性により、これらの解析を初心者でも容易に実行し、製品開発へフィードバックすることが可能です。

解析種類

※この事例では、ANSYSに加えて以下のライセンスが必要です。
ANSYS Workbench版 射出成形CAEシステム PlanetsX

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