〜テキストファイルを使用した連成解析事例〜ANSYS Workbench外部荷重転送機能

CAEソフトの架橋

設計・開発プロセスにおけるCAE活用が一般的になった現在、現場で様々なCAEソフトが活用されることも珍しくなくなりました。各業務のニーズに適したソフトの選定は重要ですが、様々なベンダーの様々なソフトが導入された結果、仕様が異なるデータが混在し、ソフト同士を連携させて解析することは非常に難しくなってしまいました。
このような障害を克服するべく、他ソフトから出力した荷重データ(X,Y,Z座標値および荷重値を記述したテキストデータ)をANSYSに読み込んで利用できる“外部荷重転送”機能がRelease13.0より搭載されました。Release13.0では「温度」「圧力」「熱伝達」が転送できます。

異形メッシュへのマッピングに対応

外部荷重転送機能では荷重データを読み込み、Workbenchのメッシュに割り当てることができます。元データとWorkbenchのメッシュが異なっていても自動的にマッピングが行われるため、メッシュの違いを気にする必要はありません。

柔軟なデータ取り扱い

データの書式には柔軟な対応が取られており、データにヘッダー行(ヘッダー列)があっても読み込み時に除外できます(@)。区切り文字もタブ・空白区切りといった一般的なものの他、ユーザー定義書式も利用できます(A)。座標変換機能があるため、長さの単位や座標系方向が異なっていても問題ありません(B)。 また、二次元のデータを三次元解析モデルに割り当てることも可能です(C)。

外部荷重転送機能操作方法

外部荷重転送機能の利用方法は非常に簡単です。荷重データを用意し、読み込み方法を指定するだけです。 ここでは、水槽の流体解析を行い、水槽の内側壁面の圧力と温度のデータを構造メッシュに転送し、連成解析する例をご紹介します。当然のことながら、流体解析と構造解析では異なるメッシュを使用しています。

1. 荷重データ(テキストデータ)の準備

流体解析の結果から「XYZ座標値」と「荷重値」を記載したテキストデータを出力します。前述のとおり柔軟なデータ取り扱いが可能ですので、書式を気にする必要はありません。

2. 外部データシステムの追加

Workbenchのプロジェクト概念図で[コンポーネントシステム]から[外部データ]を追加します。

3. 読み込み方法の指定

追加された[外部データ]の編集画面に入り、荷重データの読み込み方法を設定します。ここではヘッダー行の除外や、データの区切り形式を指定しています。
正しく設定されると、読み込み結果がプレビューされます。

4. 荷重データと境界条件の紐付け

荷重データ読み込みの設定が終了したら、[静的構造]の[セットアップ]セルに紐付けます。複数の荷重データを同時に利用することが可能です。(この例では温度と圧力)

データを読み込むため[セットアップ]セルを更新します。

5. マッピング結果の確認

Workbench Mechanicalを開くと[インポートされた荷重]が挿入されているのが確認できます。

マッピングは自動的に行われ、コンタ図でインポート結果が表示されます。[インポートされた荷重]の詳細ビューで[Display Source Points]を“Yes”にすると、元データ点が重ね書きされ、マッピング状況を詳しく検討できます。

6. マッピング方法の調整

デフォルトでは、メッシュと荷重タイプに基づいて、最も精度が高いマッピング設定を自動選択しますが、必要に応じて手動での設定も可能です。
[Weighting]では、どのような種類の重み付けを実行するかを選択できます。複数のポイントを使用して重み付けをしたり、最も近接する一つのポイントの値を使用したりするなどの設定が可能です。

またAdvancedオプションでは、近接ポイントを探索する距離の指定や、補間で考慮する近隣節点の数などを指定できます。

最後に

ANSYS Workbenchは設計プロセス全体を効率化すべく様々な開発が進められています。今後の機能拡張にご期待ください。

(CAEのあるものづくり2011年15号掲載)


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