解析講座はじめてみよう!流体解析(実践編)
〜誤差との上手なつき合い方(2)モデル形状による誤差について〜

目次

形状簡略化と解析の有効活用

ここからはモデル形状による誤差のうち「A:形状簡略化による誤差」について、形状簡略化および解析を行った際の誤差の具体例を見ていきたいと思います。

形状簡略化の例

形状簡略化には解析目的に応じて様々な手法が考えられます。また、形状簡略化対象となるものも多数考えられます。対象の一例として以下が挙げられます。

  • ネジ・ボルト・ナット/ネジ穴・ボルトの通し穴
  • 微小な突起/くぼみ
  • 微小な段差
  • 微小な曲面
  • 隅肉溶接部分
  • 面取り部分
  • フィレット部分
  • 微小なパーツ
  • 微小なギャップ
  • 形状表面の複数の細かな面(ファセット) etc

これらをどのように簡略化していくかを、実際の解析モデルを用いてご紹介します。形状簡略化を行う場合には、起こり得る物理現象および『解析目的』を検討し、解析目的に影響が小さいと考えられる簡略化を行います。

図1、図2は、空気中に設置された高温流体が流れる配管の継ぎ手部です。


図1. 構造物概要

図2. 構造物継ぎ手部分詳細(断面表示)

物理現象としては高温流体からの熱伝導や、継ぎ手部分での流れ場の乱れが考えられます。
また解析目的に応じて以下のような項目について検討が必要です。

  • 管の微小な段差などによる温度場、流れ場への影響
  • ボルト・ナットなど小さなパーツによる温度場、流れ場への影響
    etc

まず、形状簡略化せずに流体領域を作成した場合のメッシュを図3に示します。
微小な段差による流れ場および温度場への影響が見たい場合は、このように形状簡略化を行わずに流体領域を作成し、そこからメッシュ作成・解析を行います。メッシュ作成時には微小な段差を解像するために十分に小さいサイズのメッシュを作成することが必要です。


図3. 形状簡略化せずに流体領域を作成した場合

大まかな温度場および流れ場の様子を素早く確認したい場合は、微小な段差などによる流れ場への影響は小さいと考えて形状簡略化を行い、解析コストを小さくすることで効率的に流体解析を行うことが可能です。
実際に簡略化を行った例を見ていきます。目的に応じて簡略化レベル(簡略化できる箇所)が変わってきます。

簡略化レベル1:微小な面や段差の削除

微小な段差による流れ場および温度場への影響は小さいと考え、微小な段差の簡略化を行います。
また、管内の微小な段差の影響は小さくない(または影響を考慮したい)と考えた場合は、管内の段差以外だけを簡略化することも考えられます。
今回は全ての段差を簡略化した場合を示します。


図4. 微小な面や段差の削除

簡略化レベル2:小さなパーツの削除

ボルト・ナットなどの小さなパーツの温度場や流れ場への影響が小さいと考えられる場合は、パーツを削除し、削除した際にできた穴を埋めます(もとは流体の流れない領域なため)。


図5. 小さなパーツの削除

簡略化レベル3:形状の微調整やボディ分割

メッシュ品質の向上やヘキサメッシュを作成しやすくするため、微小な傾斜の削除やボディ分割などを行います。


図6. 形状の微調整やボディ分割

>>次ページ:[事例] 形状簡略化による誤差

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