コラム
DMARC認証エラーを見える化、改善につなげるRUF+
~メール認証改善のサイクルを加速~
メール送信失敗がなぜ起きたかを可視化し、継続的なDMARC改善を支援する機能
※本ページは、Valimail公式サイトのBlog に掲載された記事を翻訳・編集し、日本向けに作成されています。
-Introducing RUF+: The only privacy-safe option for DMARC
はじめに
ビジネスメールは、いまや企業にとって欠かせない重要なコミュニケーション手段です。
ですが、「送ったはずのメールが届いていない」「なぜか迷惑メールに分類された」といった問題に心当たりはないでしょうか?
それらの原因は、DMARC認証に失敗している可能性があります。
とはいえ、「どこで失敗したのか」「誰がどんなサービスを使って送ったのか」まで把握するのは難しく、
対応に時間がかかる、原因が見つからないといった課題が生まれがちです。
Valimailが提供するRUF+(アールユーエフ・プラス)は、そうした「メールの見えない失敗」を
安全に・正確に・リアルタイムで可視化するための新しい機能です。
DMARCレポートとは?RUAとRUFの違い
DMARCを設定すると、メール受信側(Gmail、Microsoft 365など)から
「どのメールが成功したか/失敗したか」の情報がレポートとして送られてきます。
これが「DMARCレポート」と呼ばれるもので、次の2種類があります:
種類 | 正式名称 | 内容 | 用途 | リスク |
RUA | Reporting URI for Aggregate | メールの送信結果を集計したレポート(1日単位) | DMARCの全体状況を把握 | 低(個人情報なし) |
RUF | Reporting URI for Failure | 認証に失敗したメールの詳細情報を含むレポート(リアルタイム) | 失敗原因の詳細分析 | 高(個人情報を含む可能性) |
RUAは「どの送信元が何通送って、何通成功/失敗したか」といった数値的な概要をまとめたものです。
一方、RUFは個別の失敗メールに関する詳細(メール本文の一部や送信IPなど)が含まれるため、問題の深掘り調査に非常に有用です。
ただし、RUFには大きな課題があります。
RUFの限界とリスク
プライバシーのリスク
RUFには、送信者や受信者のメールアドレス、メール本文の一部などが含まれる場合があり、これが個人情報に該当する可能性があります。
そのため、GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などの個人情報保護法に抵触するリスクが生じます。
レポートが届かないことも多い
RUFは、メール受信側が任意で送るかどうかを決めているため、送ってくれないこともあります。
特に大手プロバイダー(例:GmailやYahoo)は、プライバシー保護の観点からRUFの送信を行っていません。
RUF+とは? 従来のRUFを“安全”に進化させたValimail独自の機能
Valimailの「RUF+(アールユーエフ・プラス)」は、こうした従来のRUFの課題を解決するために生まれた新機能です。
- 安全性
個人情報を含まない構成
GDPR、CCPAなどの規制に完全準拠 - 高い可視性
Microsoft 365 や Google WorkspaceとのAPI連携により、受信側での詳細な失敗情報を取得
従来のRUFでは得られなかった“実際にブロックされた原因”が明確に判別可能 - 簡単操作
GUIベースで、クリック操作で問題の発生元や担当者を特定可能
DNS設定だけで導入可能。IT部門の負担を最小限に
RUF+で得られる主なメリット
- 失敗した送信者レポート
認証に失敗しているメール送信サービスの社内の責任者や利用部門を迅速に特定できます。
これにより、メール環境の妥当性確認(正しく送れているか、適切な構成かなど)を短時間で効率よく行うことが可能になります。 - 認証エラー分析レポート
認証に失敗したメールのデータをもとに、構成ミスの原因や潜在的な脅威(なりすましなど)を分析できます。
これにより、セキュリティリスクへの対応と認証環境の改善がより確実かつスピーディーに実施できます。 - 個人情報に関するリスクゼロ
RUF+は、GDPRやCCPAといった主要な個人情報保護規制に完全対応しており、個人情報を一切含まない安全設計です。
また、Valimailは年次のSOC 2 Type II/SOC 3認証も取得しており、高い情報セキュリティ基準に準拠した運用体制を維持しています。 - Microsoft 365/Google Workspaceへの安全なアクセス
RUF+は、MSP(Mailbox Service Provider)と直接API連携しており、Microsoft 365やGoogle Workspace宛に送信されたメールがどのように処理・認証されたかを可視化できます。
これにより、受信側で起きている問題も含めた包括的な分析と対応が可能になります。
他社との比較:RUF+は唯一の選択肢
多くの他社DMARCツールもRUA集計やDMARC可視化機能を提供しています。
しかし、以下のようなRUF+と同等の安全性と可視性を両立した仕組みは現時点で他に見られません。
特徴 | 一般的なDMARCツール | Valimail(RUF+) |
RUA集計 | ○ | ○ |
RUFの対応 | × | ○個人情報なし |
プライバシー準拠 | △一部準拠 | ○完全準拠(GDPR/CCPA) |
受信側の詳細分析 | × 限定的 | ○ Microsoft / Googleから直接取得 |
操作性 | △要スキル | ○GUIで直感的 |
まとめ
DMARCの成功・失敗を把握するだけでは、本当のセキュリティは実現できません。
「なぜ失敗したのか」「どのサービスが問題なのか」という情報こそが、運用の継続と改善に不可欠です。
Valimail RUF+は、これまでリスクや制限の多かったRUFレポートを、安全で信頼性の高いかたちで進化させた唯一のソリューションです。