事例紹介
熱流体システムシミュレーションによる環境規制対応、省エネの検討

公開日2021年8月
目次
- はじめに
- 流体機器システム設計における課題
- 熱流体システム解析ソリューション
- 各種事例の紹介
- おわりに
はじめに
ボイラー、空調、発電プラントなどの大規模システムやポンプ、タービン、コンプレッサー、ファンといった流体機器システムは近年、CO2 排出削減をはじめとした環境規制への対応、省エネ、高効率化が求められています。システムレベル解析を実施することで、システム全体を効率化する事ができ、環境規制への配慮を目的とした省エネルギー化、コスト削減、安全性の向上を実現可能です。本稿ではシステムレベルの熱流体解析を実現する革新的なソリューションを、事例を交えてご紹介いたします。

図1 換気・空調システム(左)、発電プラント(右)
流体機器システム設計における課題
先に述べたように流体機器システムの設計では環境規制への配慮を目的とした省エネルギー化が重要な課題となっており、CO2削減(脱炭素)/省エネというキーワードを軸に、具体的には再生エネルギーの活用促進、発電プラントシステムの高効率化、空調機器などの消費電力の削減など様々な活動がなされています。
しかしながら、これらの目的を達成するためには既存の流用設計では限界になってきており、抜本的な設計の見直しに迫られるケースも増えてきています。こうした設計の見直しには3D CAEが有効であり、近年利用が拡大しています。しかしながら、単一の構成機器であれば3D CAEを通じてシミュレーションを実施し、改良前、改良後のパフォーマンスを予測することは有効ではあるものの、流体機器システムは単一の機器で構成されているわけではありません。システム全体は様々な構成機器によって複雑に構成されており、機器単体ではなく機器間の相互作用を考慮し、全体のパフォーマンスを俯瞰して把握することがより重要となります。このようにシステム全体を俯瞰し、環境規制対応、省エネルギー化を目指すケースでは3D CAEではなくシステムシミュレーションが非常に有効です。
熱流体システム解析ソリューション
Flownex(フローネックス)は、流体機械(ポンプ、タービンなど)、ボイラーなどの機器およびそれらを組み合わせた大規模システムの発電プラント、パイプシステムや空調設備などのシステムを解析できる、システムレベル熱流体シミュレーションソフトウェアです。熱流体システム全体の定常/非定常状態における流れ、圧力損失、熱伝達を検討できます。省エネルギー、環境規制への配慮を目的とした複雑なシステムの最適化やコスト削減、安全性の向上に効果を発揮します。

図2 システムレベルの熱流体シミュレーション
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