事例紹介
1Dシステムシミュレーション編:水素・アンモニア燃料に関するCAEシミュレーション事例

水素、アンモニア燃料はそのエネルギーを取り出す際に二酸化炭素を排出しないため、カーボンニュートラル実現において重要なエネルギーリソースの候補として注目されています。 しかし、従来の炭化水素燃料とは異なった特性を持つため、エネルギー発生に関係する用途において従来と同様の取り扱いが困難なことも多く、機器の設計には実験のみならずCAEによる十全の事前検討が必要となります。 本資料では水素、アンモニア燃料に対する1次元のCAEによるソリューションをご紹介いたします。
1次元CAEによるソリューション例
航空機における液体水素燃料供給システム
流体解析に特化した1DCAEソフトウェアであるFlownexを用た概念設計です。タンク、配管、ポンプ、気液分離機などの流体要素だけでなく燃料電池モジュールを搭載し、ジェットエンジンの動力と発電に消費される水素のシステム挙動を非定常にシミュレート。各バルブの開閉状態を変更し、時々刻々に変化する運転状態を予測可能です。

水素・アンモニア燃料によるガスタービン概念設計
流体解析に特化した1DCAEソフトウェアであるFlownexを用た概念設計です。 Flownexには配管、圧縮機、タービン等様々な分野の豊富な流体要素がデフォルトで用意されており、多成分流体に対する化学平衡計算機能を実装しています。 水素、メタン、アンモニア燃焼をシミュレートしサイクル計算により、ガスタービン出力、全体効率、エミッション量等を予測できます。また気液2相流解析にも対応し、タービン排気による蒸気発生を利用したコンバインドサイクルの設計も可能です。 定常状態のみならず非定常解析による過渡現象予測や、最適化、逆設計機能を有し、プロジェクト上流段階におけるコンセプト設計をする際に迅速で高機能な設計環境を設計者に提供しております。

50kmのパイプラインに対応する多段式水素圧縮機のインペラーとその性能マップ