いまさらきけない光学計算第4回:点像分布関数の計算

この記事の内容

2-4: 波の重ね合わせ(複数の波源)

波源が3つ以上存在する場合は、どのようなパターンになるのでしょうか?
波源が2つの場合、以下の式で記述できました。これをN個の場合に一般化してみたいと思います。

その前に、4つの場合で小手調べをしてみましょう。(分かる方はN個の場合に拡張して下さい。)
波源が4つの場合の強度は・・・

ですから、これを展開して整理すると・・・

となり、周期Tにおける平均を考えると、以下のようなりにます。

綺麗に表示できそうなので、少し整理してみましょう。
cos0=1を省略せず、あえて残す形で少し”くどく”書くと(両辺2倍しています)

となります。このように展開しておき、Σ記号でまとめると以下のようにすっきりします。

両辺を2で割ると以下のようになります。

光源が4つの場合は、これで求めることが出来ました。

続いて、N個の場合に拡張してみます。もう、お分かりですね。上で記述したΣの式で、
4→Nとすれば終わりです。というわけで、光源がN個の場合は・・・

となります。
この部分だけ、プログラム風に書いてみると、次のようになります。
------------------------------------------------------------------
^Iadd==0
for ^i 1 ^N 1
    for ^j 1 ^N 1
    ^Iadd==^Iadd+(1/2)*(^A/^X(^i))* (^A/^X(^j)*cosf(-^k(X(^i)-^X(^j)))
    end for
end for
------------------------------------------------------------------
Σの数だけFORループでぐるぐる回すことになります。コンピュータは大変ですね。

さて、同一平面上(ここでは直線上)に並ぶ4つ光源から放たれる波の干渉について、計算してみました。
下図のように、光学のテキストでおなじみの図が得られました。

2-5:複素数を導入します・・・

N個の波元からの重ね合わせを記述すると以下の式となりました。

式としては、見た目が綺麗ですね。しかし、実際に計算を行うとなると、Nの値によってはかなりの量になります。そこで、少し工夫をし、「複素数」を導入します。

今まで、波をサインコサインで表していましたが、これからは指数関数exp(-ikX)で表します。波の振幅を複素数で表すことは、フェーサー(Phaser)表記と呼ばれています。
従って、強度は次のようになります。

振幅で考えると次のようになります。市販の光学のテキストでおなじみのかたちですね。

いま、開口をイメージした以下の場合を考えて見ます。即ち、ある平面上に光が通過する「穴」がある場合です。

光源面の座標(Y0m,0) と計算したい面上の座標間の距離をLmと置くと、

となります。そこで、今までXを使用していたところにLmを代入すると、

となります。

さて、複素数を導入することで、何か良いことがあるのでしょうか?
それは、「振幅の計算がベクトルの成分で行え、位相も計算できる」という点にあります。
次のイラストがそのイメージです。(時間成分は省略しています)

振幅の和(実軸成分)
振幅の和(虚軸成分)
従って、重ね合わさった振幅Aaddは次のように書けます。

重ね合わせにより合成された振幅は、これもまた複素数として表されます。
即ち、合成された振幅も実部と虚部で構成されます。

ここから、複素数で表現した振幅の2乗を計算すれば強度が求まり、更に合成された波の位相も次の関係から求めることが出来ます。

このように、波の振幅を複素数に置き換えることで、しかも重ね合わされた波の位相まで計算することが出来るようになります。

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