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製品情報

PRODUCT

フォトニクス解析ソフトウェア

Ansys Lumerical

様々な光デバイスを解析できる「フォトニクス解析」のソフトウェアパッケージ
ナノサイズの光シミュレーションを可能にし、ナノ構造デバイス、光回路システムの開発を支援します

Ansys Lumerical(以下Lumerical)は、フォトニックデバイス、システムの解析ソフトウェアを備えたパッケージです。
「DEVICE Suite」、「SYSTEM Suite」、自動化・最適化・ソフトウェア連携機能を備えた「Interoperability」から構成されており、デバイスからシステムレベルのシミュレーションを一貫して行うことができます。また、多くの外部ソフトウェアとの連携や、PythonとのAPI機能を持ち、マルチフィジクス解析や自動化・最適化が可能です。

業界・応用先

分光するお札、メタレンズ、光トランシーバー、5G、PIC(光集積回路)、ミクロンレベルに小さい物、目に見えないレベルに小さいものを解析

拡がる光デバイスの適用範囲

製品やシステムの高機能化に加えて、SDGsに代表される持続可能性な社会に向けた省資源、省コスト、省エネルギーの重要性の高まりを受け、デバイスの小型化が加速しています。有機EL、LED、CMOSイメージセンサ、5G/6Gに関連する光通信機器のみならず、IoT、ヘルスケア、産業用機器やモビリティなどの新たな分野でもナノフォトニクスの重要性は増しています。しかし、試作、検証を重ねて小型、高性能化を図るのは、開発期間やコストの観点から有効とは言い難く、CAEツール(解析ソフトウェア)によるシミュレーションを活用した開発が求められています。

このような状況下において、ナノ、マイクロサイズの構造に対する光の振る舞いを解析できる「フォトニクス解析ソフトウェア」の活用によるブレイクスルーが期待されます。Lumericalは様々な形状、サイズ、制約事項を持つフォトニックデバイスの解析を可能にするほか、複数のデバイスで構成される光システムの解析や、熱、電気の影響を考慮したマルチフィジクス解析を通じて、幅広い分野での光学設計・開発に対応。製品開発の前段階となる基礎研究でも効果を発揮することから、ナノフォトニクスデバイス、システムの研究・開発の機関短縮とコスト削減を実現するソリューションとしてニーズが高まっています。

多様なソルバー群

Lumericalは多様なソルバー群で構成されており、様々な分野のアプリケーションに対応可能です。
ナノ構造デバイスの形状に対する解析を行うDEVICE Suiteと、光回路システムの解析を担うSYSTEM Suiteはそれぞれ、フォトニックデバイスの解析と光システムの解析にご利用頂けます。
また、デバイスとシステムの連携解析を始めとするソルバー間の連携解析や、Ansys SpeosやAnsys HFSSなど他のAnsys製品とのマルチフィジクス連携解析も行えるため、より高度な解析にも対応でき、お客様の抱える課題に幅広く対応可能な環境が整っています。

DEVICE Suite

DEVICE Suite(デバイススイート)は、電磁光学をベースとしたフォトニックデバイスの解析ツールです。多数の数値解析ソルバーから構成されているため、様々な形状・サイズ・動作特性を持つフォトニックデバイスの解析が可能となります。また、熱・電子解析ツールも含まれており、受光/発光素子等のデバイスのマルチフィジックス解析も可能となります。Lumericalは、様々なフォトニックデバイスの製造現場における現象を解析・把握し、試作や再現実験の回数や時間、コストを大幅に削減します。

FDTDは最も汎用的に使用でき、様々なフォトニックデバイスの光学解析にご利用頂けます。
含まれるソルバー:FDTD、STACK、RCWA

・FDTD
FDTD法(有限差分時間領域法)により、電磁界分布の時間変化をシミュレーションで求めます。
領域を細かいメッシュで区切ってマクスウェル方程式を直接計算しますので、形状の制限がなく汎用的なソルバーです。
Zemaxの物理光学伝搬機能への電磁場データ出力、Speosへの量子効率出力、Speos・Zemaxへの光源・BSDF・回折効率出力など光線追跡ソフトと連携した解析も可能です。

・STACK
多層膜構造に特化したソルバーで、解析的な方法を使うことで直接マクスウェル方程式を解くよりも高速に結果が得られます。

・RCWA
層の形状が周期的に変化する構造に対して特化したソルバーで、条件にもよりますがシミュレーション時間がFDTDに比べて短いという利点があります。
RCWA法で回折効率などを計算し、Speos・Zemaxといった光線追跡ソフトと連携した解析も可能です。

MODEは主に光導波路やカプラー等のデバイス設計と解析に最適な製品です。
導波路デバイスのモード解析・伝搬解析、結合効率の解析などを効率的に行えます。
含まれるソルバー:varFDTD、EME、FDE

・varFDTD
3次元構造モデルの解析を2次元実効屈折率モデルのFDTD解析で代替することで、大幅に計算負荷を減らしてシミュレーションを行います。

・EME
EME(固有モード展開)法はマクスウェルの方程式を解くための周波数領域法で、FDTD法と比べて伝搬距離が長い導波路デバイスの計算に適しています。
また、反射を考慮でき、高屈折率差や伝搬角等の制約条件が無い点がBPM法と比較して優れています。

・FDE
FDE(有限差分固有モード)法は断面メッシュでMaxwellの方程式を解くことにより、モード分布・実効屈折率等の導波路特性を解析します。
曲げ構造を含む様々な断面形状の導波路に対して解析することができ、周波数依存性から群遅延・分散なども計算が可能です。
また、シミュレーション時間がFDTDに比べて短いという利点があります。

Multiphysicsは光と熱、電気との連成解析が可能な製品です。
ここで紹介するソルバーはMQWを除いて有限要素法(三角形または四面体のメッシュ)を用いてシミュレーションを行います。
含まれるソルバー:CHARGE、MQW、DGTD、FEEM、HEAT

・CHARGE
静電ポテンシャル(ポアソンの方程式)と自由キャリア密度(ドリフト拡散の式)を記述する連立方程式を自己矛盾なく解くことで、シミュレーションを行います。

・HEAT
熱の伝導やジュール熱を計算します。伝導、対流、放射などの効果に加えて、光や電気により発生した熱を考慮することもできます。

・MQW
原子レベルの薄い半導体層における量子力学的挙動をシミュレーションし、多重量子井戸構造におけるバンド構造、ゲイン、自然放出などを計算します。

・GDTD
不連続Galerkin時間領域法に基づき、有限要素法でマクスウェルの方程式を解いて電磁場を計算します。
FDTDとは異なり三角形・四面体のメッシュが用いられるため、FDTD法と比較して曲面を持つ場合、金属誘電体界面など電場が不連続になる場合などに有効です。

・FEEM
固有モード法に基づいてマクスウェルの方程式を解いてシミュレーションを行い、周波数領域で導波路またはファイバーの2D断面によってサポートされるモードを計算します。
高次の多項式基底関数を使うことで、複雑な形状をもつ導波路におけるモードを解析することが可能となります。

SYSTEM Suite

SYSTEM Suite(システムスイート)は、光トランシーバー、5G通信、PIC(光集積回路)などの光システムの解析ツールです。マルチモードファイバや双方向/マルチパスの伝搬特性を持つ光回路・システムの時間領域・周波数領域での解析が可能です。また、CML Compiler機能により、DEVICE Suiteにて設計解析を行ったデバイスを組み込んだシステムシミュレーションも可能となります。

光回路、光システムを解析するソルバーで、マルチモード、双方向、マルチチャンネルの解析が可能です。
豊富なライブラリからコンポーネントを選択して簡易にモデルを構築でき、時間領域サンプルモード/ブロックモード・周波数領域の解析を行えます。
応用例:LiDAR、光通信機、レーザー、NLS Gateなどのシステム解析

特性測定結果とFDTDなどのデバイスシミュレーション結果のデータソースから、INTERCONNECTおよびVerilog-AのフォトニックCML(コンパクトモデルライブラリ)を作成します。IPの保護やメンテナンス、品質保証に係る統計解析のサポートも可能です。

活用例

メタレンズ

メタレンズは、従来のガラスレンズで厚みや形状を変えて光を集める方式と比べて非常に薄く作ることができるというメリットがあり、スマホカメラ等で近年注目を集めています。一方で、従来のガラスレンズとは動作の原理が異なるため、フォトニクス解析ソフトウェアでの設計解析が必要となります。

光トランシーバ―

光ネットワークは通信のエネルギー効率の高さの点で重要度を増しています。その中で光と電気の変換を担う光トランシーバは重要なキーパーツの1つです。その設計開発にはナノレベルのSiフォトニクスデバイスの光特性だけでなく、電気や熱の相互作用の解析(マルチフィジクス解析)や、通信品質評価のためデバイスとシステムの連携解析が必要となります。

LiDAR

LiDARはレーザ光を用いた測距センシング技術です。自動運転などの先進安全技術として近年、非常に注目を集めています。従来はモータ等の機械駆動により回転させる方式が主流でしたが、小型、低コスト化の観点から非機械駆動(ソリッドステート)方式の1つである光フェーズドアレイ(OPA)のステアリングが期待されています。マイクロ〜ナノサイズのアンテナ設計やビーム伝搬解析にはフォトニクス解析ソフトウェアが有効です。

WEBセミナー

主催:サイバネットシステム株式会社
共催:アンシス・ジャパン株式会社 様
受講料:無料

フォトニックデバイスの製造現場ではスピーディに現象の解析・把握することを求められます。試作や再現実験の回数や時間、コストの削減は大きな課題の一つです。
Ansys Lumericalは、フォトニックデバイス・システムの解析ソフトウェアを備えたパッケージです。「Device Suite」、「System Suite」、自動化・最適化・ソフトウェア連携ツールである「Interoperability」から構成されており、デバイスからシステムレベルのシミュレーションを一貫して行うことができます。
また、多くの外部ソフトウェアとの連携機能や、python とのAPI機能を持ち、マルチフィジックス解析や自動化・最適化が可能です。
本セミナーでは、フォトニクス解析ソフトウェアAnsys Lumericalの機能概要や多数の適用例・事例を踏まえて、どのようにお客様のお役に立てるかをご紹介いたします。

Ansys Lumerical概要紹介

  • Lumerical各ソルバーのご紹介
  • 連携可能ツールのご紹介
  • Lumericalの活用事例

Ansys LumericalによるPIC設計およびシミュレーション

  • 変更グレーティング設計事例
  • PIC設計事例
  • 今後のアプリケーション

Ansys Lumericalによるイメージングセンサー設計およびシミュレーション

  • CMOS カメラセンサーワークフローの概念
  • Lumericalによる外部量子効率の計算
  • CMOSセンサーのシミュレーションとその結果