いまさらきけない光学計算第2回:光線追跡

この記事の内容

1-5: 屈折光の方向ベクトル

最後は、屈折光線の方向余弦(方向ベクトル)です。この方向ベクトルを求めることではじめて屈折光の進行方向がただ1つに決まります。スネルの法則は、単純な2次元平面内の計算には必要十分ですが、3次元で考える場合には、少し工夫が必要です。

ではどのようにすれば、屈折光の方向を求めることが出来るのでしょうか?
入射角の計算を思い出してください。曲面上における計算では、交点における接平面を考え、その接平面の法線ベクトルとのなす角を求めることで入射角や屈折角を求めました。屈折光の場合も同様です。加えて屈折光は、
入射光線の方向ベクトルと、交点における法線ベクトルで構成される平面上に存在する
筈ですから、屈折光の方向ベクトル(La, Ma, Na)は,うまくs,tを選べば以下のように記述できます。

(La, Ma, Na) = (Sl, Sm, Sn) * s + (L,M,N) * t

このs,tを求めることで、屈折光の方向ベクトルが分かります。

ちょうど、X-Y平面上の任意の点(X,Y)は、適当なs,tを用いて以下のように表されるのと同じです。

(X, Y) = (1,0) * s + (0, 1) * t

しかし結構面倒そうですね・・・。 そこで登場するのが「光線屈折式」なる式です。
以下のようにベクトル形式で表されます。

ここで、 S = (Sl, Sm ,Sn)交点における法線ベクトル
D = (L, M, N)...入射光の方向ベクトル
X = (La, Ma, Na)..射出光の方向ベクトル ×は外積です

光線屈折式は、スネルの法則の3次元版です。むしろ、この光線屈折式の一部を取り出したものがスネルの法則といえます。この光線屈折式は、屈折計算をベクトルで表現します。ここからはこの光線屈折式を使って計算してみます。こちらの方が圧倒的に簡単です。

今回はここまで。次回は光線屈折式を使って実際に計算してみます。

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