映写機の設計

IMAX Corporation

IMAX社、ANSYSによる解析で映写機の設計を精緻化

IMAX社(カナダ、オンタリオ州)は、扱いにくい複数の映写機の代わりに、単一の強力な映写機を用いて壮観な巨大スクリーン映画を作っています。無類の大きさと鮮明さを持つ映画が、観客の周辺視覚の範囲を超える最高で8階の高さのスクリーンに映し出され、観客にアクションの中心にいるような感覚を与えます。

カナダの小さな映画会社グループによって開発された革新的なIMAX形式は、Expo '70大阪万国博覧会で初公開されました。そして、最初の常設IMAX映写システムは、1971年にトロントのオンタリオ・プレース・シネスフェアーに設置されました。今日では、125以上の常設IMAX映画館が20ヶ国で操業しており、グランド・キャニオン、イエローストン、アフリカのセレンゲティ、宇宙開発と海底探索、原子、および航空機の歴史などのトピックに関する娯楽映画および教育映画を上映しています。IMAX社の算定によれば、1995年には 5,000万以上の人がIMAX映画を見たことになります。

画像の鮮明度にとって非常に重要な安定した送りを正確に制御するために、IMAX社は映画産業において最も高度とされる装置を採用しています。この装置は、従来の35mmフィルムの10倍大きく、業務用標準70mmフィルムの3倍大きいフィルムを扱うために特別に設計されました。そして滑らかな動作を達成するには、パーツの公差が非常に重要です。というのも、大きなスクリーンでは、わずかなぶれや振動が観客に見えてしまい、画像の現実味がそがれることになるからです。

IMAX社の開発した映写機は、滑らかな波のような動きによって最高秒速48フレームでフィルムを送るローリング・ループ運動を採用しています。フレームは固定位置合せピンによって個別に位置決めされ、真空システムによってレンズに対して所定の位置に保持されます。レンズの前でのフィルムの正確な位置決めは、アームによって駆動される一連の減速ピンにかかっています。アームはピンをフィルムの両側の送り孔に導き、それによって口径内におけるフィルムの歩度が決まります。

これらの機構をシミュレートするためにIMAX社は機構解析プログラムのADAMSを採用しています。このプログラムの導入で、映写機の複雑な機構全体の挙動の解析が、PCやその他のエンジニアリングワークステーション上で簡単に利用できるようになりました。また、ADAMSで解析した結果得られる荷重データを使用した構造解析には、有限要素法解析プログラムANSYSが採用されています。ANSYSは、1つのプログラムで多分野にわたる機能を持っており、線形解析、非線形解析、応力解析、伝熱解析、電磁場解析、流体解析および音響解析などが可能です。PCやワークステーションのハードウェアに依存することなく統一した操作環境で利用できるために、活用がひろまってきました。

最近、映写機の減速アームの設計が、IMAX社の技術者たちによってANSYSを用いて最適化されました。1つの設計要求事項は、荷重によるアーム端部のたわみが1/1000インチ (0.025mm) 以下であることでした。ANSYSによる最適化設計により、アームが捩れていることが分かり、最小限の重みで、もっと優れた、より剛性の高い設計が可能となりました。さらに同モデルを用いて、技術者たちはアームの振動特性も検査し、徐々にANSYSによるシミュレーションの利用範囲が拡大しています。

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