解析事例
摩擦撹拌接合(FSW:FrictionStirWelding)の解析
こんな方におすすめ
- 摩擦撹拌接合の解析を行いたい
- 摩擦による発熱と、熱による変形や接触状態の変化が相互に関連する連成解析を行いたい
摩擦撹拌接合 (FSW:Friction Stir Welding) の解析事例です。ツールとワーク間の接触、摩擦による発熱、塑性変形など、FSW に関する特性を考慮しています。伝熱および力学的挙動が相互に依存して連成することから、非線形直接連成場解析を実行しています。
ワークが2つあり、その中央にツールを押しつけた状態で回転させます。摩擦により発熱し、ワークに熱が伝わります。(図1、図2)ワーク間は溶融温度に達すると固着するように設定してあり、溶接現象 を表現しています。(図3)
Ansysの連成解析では、様々な接触機能を利用できます。
1.摩擦発熱
式1-1,1-2により、摩擦発熱が評価されます。
この例ではワーク側に熱を多く配分するように設定しています。
式1-1.コンタクト側(ワーク側)の摩擦による熱散逸量
式1-2.ターゲット側(ツール側)の摩擦による熱散逸量
τ:相当摩擦応力
V:すべり速度
FHTG:摩擦散逸エネルギーが熱に変換される割合
FWGT:熱配分の重み係数
2.摩擦係数
この例では摩擦係数は一定としていますが、速度や温度に依存して変化
させることもできます。
3.臨界固着温度
閉じた接触において接触面の温度が設定した溶融温度を超えると、接触を「固着状態」に変わるように指定できます。温度が臨界値以下に下がっても、 接触の状態は、残りの解析についても固着のままとなります。