[積分回数] [トータル積分回数] [積分次数] は、流線やパーティクルを計算する際の “計算精度” に関係します。
計算には、Runge-Kutta(ルンゲ-クッタ)法を使用しています。初めに始点位置を決め、その始点の位置のベクトルからある時間 Δt 進んだ時の位置を求めるという計算を行います。
流れは以下のようになります。
以下でそれぞれの意味を説明します。
「積分回数」は、微分方程式を解くための刻み幅を決めるために使用されます。値を大きくすると刻み幅は小さくなります(精度が高くなります)。
実際の計算式は以下のようになります。
Vx(n+1) = Vx(n) * time Vy(n+1) = Vy(n) * time time = 0.7 * ベクトルの方向 * 格子幅/(ベクトルの大きさ * 積分回数)
(Vx Vy) | 次の点のベクトル値 |
---|---|
0.7 | 係数 |
ベクトルの方向 | ベクトルの向きを判別 |
格子幅 | 縦横の幅が違う場合は小さい方が採用される |
ベクトルの大きさ | 各点でのベクトルの大きさ |
積分回数 | MicroAVS で指定される値 |
例えば、1×1 のセルに対して、V = (1,1) のベクトル成分が定義されており、パラメータ積分回数 = 1 の場合は
time = 0.7 * 1. * 1 / (sqrt(2)*1) = 0.5 #sqrtは平方根を求める関数です。 Vx = 1 * 0.5 = 0.5 Vy = 1 * 0.5 = 0.5
のようになり、次の点を決めるベクトル値が計算されます。
これはある時刻 Δt を何回進めるかという定義です。上記の積分を何回繰り返すのかを指定するものとなります。
値を大きくすると流線が長く伸びることになります(積分回数との兼ね合いで長さの絶対値は変わります)。
Runge-Kutta(ルンゲ-クッタ)法では、誤差のオーダによって、1次精度、2次精度、3次精度、4次精度、n次精度があります。
「積分次数」は、この精度を1から4まで指定するものです。値が大きいほうが精度が高いということになります。