大きく変化した更新プログラムの適用方法

Microsoft Windows 10が2015年7月にリリースされてから、すでに2年近くが経過しました。しかし現在でもまだWindows 7を利用しているユーザーは少なくないようです。

StatCounterが公開している「Desktop Windows Versions Market Share Worldwide」によれば、Windows 10のシェアは徐々に向上しているものの、2017年3月時点でWindows 7のシェアはまだ47%を超えており、Windows 10は34%と、まだ逆転するには至っていません。日本では2017年1月にWindows 10のシェアが41.3%に達し、Windows 7のシェアを僅差で逆転しましたが、ここまで達するのに1年半もかかっています。

Windows 7は確かによくできたOSであり、それが故に広く普及しました。使い慣れたものを使い続けたいという気持ちは、よく理解できます。しかしまだWindows 10への移行を終えていない企業は、そろそろ本腰を入れて検討すべき時期にきていると言えるでしょう。Windows 7の延長サポートは2020年1月で終了する予定になっており、猶予期間はすでに3年を切っているからです。

また別の理由からも、Windows 7の使用は早急に終わらせるべきです。Windows 7は古いセキュリティアーキテクチャにもとづいており、数多くのセキュリティ機能が統合されたWindows 10に比べ、脆弱性が高いと指摘されているのです。

Windows 10には数多くのセキュリティ機能が統合されています。これらをうまく活用すれば、これまで以上にセキュアな企業システムを確立できるはずです。その一方で従来とは異なる機能によって、運用担当者が混乱する危険性も否定できません。

そこでこの連載では、Windows 10のセキュリティ機能にフォーカスを当て、それらの概要と活用上の注意点、他の選択肢の可能性などについて言及していきたいと思います。

Windows 10への移行でまず注意したいWindows Updateの変化

Windows 10への移行でまず注意すべきなのが、更新プログラムの適用方法(Windows Update)が変化したことでしょう。その背景にあるのは、Windows 10のコンセプトが、それ以前のWindowsと大きく異なっていることです。

Windows 10はOSを「製品」として販売するのではなく、「サービス」として提供する「Windows as a Service」というコンセプトを採用しています。従来のWindowsでは、3年程度のサイクルで機能改善や新機能追加が行われたサービスパックが提供されてきましたが、Windows 10ではこれが随時「サービス」として行われるようになります。リリースサイクルが短いクラウドサービスと同じような感覚で、OS自体も進化させていこうとしているのです。

Windows 10への移行でまず注意したいWindows Updateの変化

Windows 10では数ヶ月毎に新機能が提供され、Windows Updateが直接マイクロソフトのWindows Updateサイトにアクセスし、自動的に取得・インストールされるようになります。これは企業ユーザーにとっては悩ましい問題です。社内でテストを行うことなく新しい更新プログラムが適用されてしまうと、業務アプリケーションが突然動かなくなるなどのトラブルが発生する危険性があるからです。

このような問題を回避するため、マイクロソフトはWindows 10に関して、3種類のサービシングモデルを提供しています。

第1のモデルは「Current Branch(CB)」です。これは常に最新機能が提供されるサービシングモデルであり、主にコンシューマーを対象にしています。

第2は「Current Branch for Business(CBB)」。これは主に企業ユーザー向けに用意されたモデルであり、CBで提供された新機能を4〜8ヶ月遅れで適用できるというものです。

第3は「Long Term Service Branch(LTSB)」。これは機能更新を行わず、セキュリティ更新プログラムと修正プログラムのみを提供するモデルです。これまでに2度リリースされており、最新バージョンは2016年8月にリリースされた「Windows 10 Anniversary Update(2016 LTSB)」となっています。

それでは企業ユーザーはこれらをどのように使い分け、いかなる運用を行うべきなのでしょうか。次回はWindows Updateの運用方法について、より具体的に解説していきます。

 


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