今や設計でCAEを使うのが当たり前となり、自身でシミュレーションを行う設計者が増えていますが、まだまだ不安を持ちながら使っている設計者も少なくありません。
操作教育を受けてツールの使い方はわかっても、荷重や拘束の置き換え方、ましてや解析結果の解釈に自身がないためです。
これらのことを勉強しようと思っても、なかなか適当な参考書も見つかりません。これまでは所謂ノウハウ(経験)として身につけていくものでした。
本書は、実際にCAEを使って設計を行っている設計者による実践的なCAEの活用法となっています。 解析種類の説明から具体的なモデリングや解析においての注意点、結果評価、報告書の書き方まで、設計者の目線で見た一連の設計プロセスに合ったCAEの使い方を網羅しています。 もちろん、設計者だけでなく解析専任者の方にも、またマネージャの方が部下の解析結果を見る時、部下を指導するときにも役に立つ内容です。
1. はじめに | 8. 基本的な解析タイプと制約 |
---|---|
1.1 設計技術者はFEAを実施すべきか? 1.2 本書の目的 |
8.1 線形 vs. 非線形 8.2 動的 vs. 静的 8.3 落下試験 8.4 本章のまとめ |
2. 製品開発におけるシミュレーションの役割 | 9. シミュレーションモデルの検証 |
2.1 設計の各段階におけるシミュレーションの適用範囲 2.2 早期のシミュレーションによるビジネス上の利点 2.3 FEAの能力と制約 2.4 シミュレーション範囲の定義 2.5 本章のまとめ |
9.1 解析前の確認 9.2 解析後の確認 9.3 本章のまとめ |
3. 解析の基本となる考え方 | 10. 結果の解釈: 解析結果が意味するもの |
3.1 現状の技術水準 3.2 FEAに必要な技術要件 3.3 FEAにおける主な仮定の分類 3.4 仮定の感度 3.5 本章のまとめ |
10.1 意味のある出力と表示の選択 10.2 FEAの結果と安全率 10.3 感度と不確実性の要因分析 10.4 試験との相関 10.5 本章のまとめ |
4. 材料特性 | 11. 最適化入門 |
4.1 シミュレーションに必要な材料特性 4.2 応力-ひずみ曲線の基礎 4.3 入力特性 4.4 破損特性 4.5 代表的な材料に関する指針 4.6 本章のまとめ |
11.1 最適化の基本的な考え方 11.2 ロバストな最適化 vs. 厳密な最適化 11.3 最適化を念頭においたモデルの準備 11.4 本章のまとめ |
5. メッシュ生成 | 12. プロジェクトの報告書 |
5.1 「有限要素」とは 5.2 収束 5.3 要素タイプの混在 5.4 本章のまとめ |
12.1 QAツールとしての報告書 12.2 将来のための文書化 12.3 プロジェクト報告書に最低限必要な内容 12.4 大まかな報告書を素早く作成する 12.5 本章のまとめ |
6. 境界条件 | 13. さらに詳しく知りたいときは |
6.1 境界条件の構成要素 6.2 モデル境界を決定するための指針 6.3 境界条件の確認 6.4 「非拘束」のモデル 6.5 本章のまとめ |
13.1 CADソフトウェア以外のFEツールについて 13.2 NAFEMSの文書 13.3 インターネット上の情報 13.4 その他の参考資料 13.5 職場内教育と専門家のサポート 13.6 本書のまとめ |
7. CADモデルの構築 | |
7.1 設計とFEAにおけるジオメトリの関連づけ 7.2 CADモデリング手法による作業効率の違い 7.3 本章のまとめ |