ANSYSの信頼性に優れた解析ソルバー
ANSYSには、高度な問題を精度よく解くために、様々なソルバーが装備されています。また、並列計算機能も充実しており、大規模計算に威力を発揮します。
信頼性に優れた解析ソルバー
ANSYSには信頼性の高いソルバーが多数備えられています。解析実行の際に、解析の分野に応じて最適なソルバーが自動的に選択されていますが、手動でも設定できます。
- スパースソルバー
- 静的解析および過渡解析に適用可能な高速直接解法ソルバー。不安定マトリクス問題に有効な高速ソルバーです。
- PCGソルバー
- 前処理型共役勾配法による反復解法ソルバー。ディスク使用量が少なく、正値対称マトリックス問題に有効な高速ソルバーです。
- JCGソルバー
- ヤコビアン共役勾配法による反復解法ソルバー。実数および複素数からなる対称および非対称マトリックスの問題に有効なソルバーで、複素非対称マトリクスに関してはICCGソルバーよりも高速です。
- ICCGソルバー
- 不完全コレスキー共役法による反復解法ソルバー。実数および複素数からなる対称および非対称マトリックスの問題に有効なソルバーです。複素対称マトリクスに関してはJCGソルバーよりも高速です。
- FastLinearソルバー
- 線形構造解析、伝熱解析において威力を発揮します。上記の反復法ソルバーに対しさらに要素の定式化に工夫を行うことで、この分野での最も高速なソルバーとなっています。パワーダイナミックス固有値解析において、サブスペース抽出法とPCGソルバーを適用することで高速解法を実現します。
- 固有値解法
- モーダル解析(固有値解析)において固有値の抽出法は重要です。ANSYSでは、縮合法、サブスペース法、非対称ランチョス法、減衰ランチョス法に加え、対称マトリックスの問題に対して高速に固有値および固有モードを求めるブロックランチョス解法が備えられています。
種類豊富な並列計算ソルバー
大規模アセンブリモデルや複数の場を組み合わせた連成問題など、解析規模は拡大する傾向にあります。ANSYS では大規模問題を正確にしかも迅速に処理するため、並列計算をはじめとした大規模解析機能の開発にも注力しています。
- AMG(Algebraic MultiGrid)ソルバー
- 単一のシステム上で複数のCPU(最大8個までの共有メモリ並列処理)を利用し、静的 / 過渡の非線形解析を実施します。ソルバー自身はANSYS既存のPCGソルバーに似た前処理形共役勾配法によるものです。従来のマルチグリッド法での離散化メッシュ分割を粗くしてプリコンディショナを評価するものではなく、全体剛性マトリクス[K]に対して粗なグリッド化を行うためメッシュに依存しません。
- D-ANSYS(Distributed ANSYS)
- すべての処理で並列計算を行うため、結果的に実時間と計算時間の両方に対し線形、非線形解析を問わず非常にスケーラブルです。D-ANSYSでは、一台または複数のマシン上の複数のプロセッサで解析計算を行います。大規模な問題は小規模な領域に分割され各プロセッサに転送されます。そこで各領域に対する計算が行われ最後にモデルに対し完全な結果が作成されます。全体モデルの結果にかかる計算時間は結果が並列で処理さているため大幅に削減されます。また要求されるメモリは複数のシステム間で分散されるので、要求されるメモリの最大値はどのマシンでも大幅に減少します。
これにより低性能でメモリが制限されたマシンでも大規模なモデルを計算することができます。線形及び非線形の静的構造解析、単一場の構造解析と伝熱解析のフル法時刻歴応答解析、また単一場の電磁場解析に利用できます。
D-ANSYSにはSPARCE、DSPARCE、DPCG、DJCGのソルバーが含まれています。
- DSPARCE(Distributed Direct)ソルバー
- DSPARCEソルバーは、メモリ共有型並列モードで動作するSPARSEソルバーに分散型並列処理を新しく追加したものです。大きなSPARCEマトリクスを小さなサブマトリクス(要素領域を分解する代わりに)に分解して、複数プロセッサに転送します。16プロセッサまでスケーラビリティが得られます。接触解析など非線形問題での不安定マトリクスの計算に適しており、PCGやJCGソルバーで収束困難な問題に非常に有効です。
- DPCG(Distributed PCG)ソルバー
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DPCGソルバーは、従来のPCGソルバーに、分散型並列処理を新しく追加したものです。DPCGソルバーは、PCGソルバーのロバスト性を失わず、共有メモリや分散メモリのマシンにおいて、PCGソルバーよりも優れた拡張性を発揮します。低いプロセッサ数(16個未満)において、よりロバスかつ少ないメモリにて計算することが可能です。
- DJCG(Distributed Jacobi Conjugate Gradient)ソルバー
- DJCGソルバーは、従来のJCGソルバーに、分散型並列処理を新しく追加したもので、伝熱解析のような場の問題に適しています。DJCGソルバーは、共有メモリと分散メモリの両方をサポートしています。DJCGソルバーの拡張性は、少しだけ追加のメモリを必要とするだけで、JCGソルバーよりも優れています。
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